12月6日、世界的な食品・飲料会社であるネスレは、同社が全世界で必要とする輸送量の半分に相当する量を、代替の低排出ガス燃料に転換することを可能にする一連の契約を、即時発効することを発表した。
ロジスティクス大手のハパックロイド、マースク、CMA CGMと締結した契約により、ネスレは貨物輸送に廃棄物から作られた燃料などのグリーン燃料を使用し、年間約20万トンの温室効果ガス排出量を削減し、約50万バレルの原油の使用を回避すると発表した。
ネスレは2019年に、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量ネット・ゼロを達成するというコミットメントを発表し、2020年には、2025年までに20%、2030年までに50%の排出量削減を達成するという目標も含む、気候変動目標を達成するための「期限付き計画」を発表した。
今年初めに発表された同社のネット・ゼロ・ロードマップによると、ネスレのフルスコープのカーボンフットプリントの約8%を物流が占めており、同社は2030年までに物流排出量を2018年を基準として100万トン削減することを目標としている。輸送排出量に対処するためのロードマップで説明されている主な取り組みには、低排出燃料への切り替え、燃料消費の削減、車両スペースの最大利用などが含まれる。
マースクとの契約に基づき、ネスレは出荷する海上コンテナの100%にマースクのECOデリバリーソリューションを使用する。ECO Deliveryは、荷主が化石燃料をグリーンメタノールや廃棄物由来のバイオディーゼルなどのグリーン燃料に置き換えることを可能にし、直接的な排出削減を可能にする。マースクによると、これらの輸送による海上排出量は、従来の化石燃料を使用した場合と比較して80%以上削減されるという。Hapag-Lloyd社との契約では、廃棄物や残渣ベースのバイオ燃料を利用し、ネスレの輸送量の100%に同社の「シップ・グリーン」ソリューションを使用する。ネスレはまた、CMA CGMの取扱量の100%にACT with CMA CGM+プログラムを利用し、輸送にバイオ燃料を使用する。
【参照ページ】
(原文)Navigating a better course: Nestlé moves to lower carbon alternatives for shipping
(日本語参考訳)より良い航路へ: ネスレ、低炭素輸送への転換を図る