Gulfstream、史上初の100%SAFによる大西洋横断飛行を完了

 

11月20日、ビジネスジェット機メーカーのGulfstreamは、100%持続可能な航空燃料(SAF)を使用した史上初の大西洋横断飛行を完了したことを発表した。

サバンナ・ジョージア州からイギリスのファーンボロー空港へのフライトは11月19日に行われ、Gulfstream G600型機とPratt & Whitney製PW815GA型エンジンが使用された。

燃料は航空部門の排出量の大部分を占める。一般的に、廃油や農業残渣のような持続可能な資源から生産される燃料は、従来の燃料に比べてライフサイクル温室効果ガス排出量を85%も削減できる。

しかし、航空会社によるSAFの利用を大幅に増やす努力は、現在市場に出回っている供給量の少なさや、従来の化石燃料をはるかに上回る価格など、大きな課題に直面している。SAFは現在、ジェット燃料の0.1%未満であり、燃料基準では商用ジェットエンジンにSAFを50%しか混合できない。

本フライトは、Virgin Atlantic航空が率いるコンソーシアムが11月28日に予定している、100%SAFを燃料とする初の民間航空機による大西洋横断フライトの約1週間前に行われた。

Gulfstreamのフライトでは、低炭素燃料プロバイダーであるWorld Energyが提供したSAFが使用された。この燃料は、100%ハイドロプロセッシング・エステル&脂肪酸(neat HEFA)で構成され、油脂などの再生可能な原料をハイドロプロセッシングによって精製することで製造されている。化石由来のジェット燃料に比べてライフサイクルCO2排出量が少なくとも70%少ない。

【参照ページ】
(原文)GULFSTREAM COMPLETES WORLD’S FIRST TRANS-ATLANTIC FLIGHT ON 100% SUSTAINABLE AVIATION FUEL
(日本語参考訳)Gulfstream、史上初の100%持続可能な航空燃料による大西洋横断飛行を完了

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