8月3日、国際的な鉄鋼業界気候変動イニシアティブである世界鉄鋼気候評議会(GSCC)は、鉄鋼の炭素排出量を測定・報告するための世界基準である「The Steel Climate Standard」を発表した。
本基準は、世界の鉄鋼業界からの温室効果ガス(GHG)排出量削減に焦点を当て、パリ協定が目指す1.5°Cシナリオに沿った排出量削減のための科学的根拠に基づくグライドパスを示すものである。本規格は、全鉄鋼メーカーに等しくグローバルに適用され、顧客が鉄鋼製品に関連する実際の炭素排出量を知り、比較することを可能にする。
GSCCは、グローバルな鉄鋼規格を提唱する複数のグループや企業のひとつである。「鉄スクラップ使用量スライディング・スケール」と呼ばれる、従来の生産プロセスで作られた鉄鋼と、循環型プロセスで作られた鉄鋼の規格を推進するグループもある。対照的に、「The Steel Climate Standard」はプロセスにとらわれない単一の製品基準を設定し、鉄鋼メーカーに科学的根拠に基づく排出量目標の設定を求めている。
GSCCが開発したSteel Climate Standardには以下の通り重要な目的を3つ設定している。
- すべての鉄鋼メーカーに等しくグローバルに適用される、鉄鋼製品の認証と企業の科学的根拠に基づく排出量目標設定のための、技術にとらわれない単一の枠組みを提供する
- すべての顧客が、購入する鉄鋼製品に関連する炭素排出量を知ることができるようにする
- 2050年までにパリ協定における排出削減目標を達成するための業界標準を作成する
【参照ページ】
(原文)Low-carbon coalition publishes a global steel standard to measure and report carbon emissions
(日本語訳)GSCC、CO2排出量を測定・報告するための鉄鋼グローバル基準を発表