11月9日、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、過去20年間の特許出願の変遷を追跡し、洋上風力発電業界で起きている最新の技術動向に関する報告書を発表した。
2002年から2022年の間に、オフショア風力技術の特許出願は平均18%増加した。この成長は2014年から2017年にかけて停滞したが、近年は出願件数が急増している。
一方、パリ協定の1.5℃目標を達成するためには、2030年までに世界の再生可能エネルギー発電容量を3倍にする必要がある点にも言及。洋上風力発電容量は、2030年にはほぼ500GWに達する必要があり、2020年と比較すると14倍に増加する。
同報告書は、以下について明らかにしている。
- 洋上風力発電分野の技術革新は、欧州とアジアのプレーヤーが牽引しているが、米国が将来の市場として浮上している。出願された国際特許ファミリー(IPF)の上位10カ国のランキングでは、ドイツとデンマークを筆頭に7カ国が欧州勢。非IPFファミリーでは、中国が圧倒的にリードしており、強力な地元オフショア市場を示している
- 洋上風力発電のサプライチェーンでは、浮体式基礎、物流能力、グリーン水素製造をサポートする可能性において、最大の発明が行われている。洋上風力発電に関する発明の多くは、浮体式基礎、輸送設備、タービンの設置・架設という3つの分野に集中している
- 洋上風力発電システムは、電力系統のバランスをとり、付加価値を生み出すために、エネルギー貯蔵や水素生産の強化を模索している。エネルギーシステムの柔軟性を促進することに重点が置かれており、特許データから、洋上風力発電所にエネルギー貯蔵オプションを統合することへの関心が高まっている
【参照ページ】
(原文)Offshore wind patents on the rise, new study by IRENA and EPO shows
(日本語参考訳)IRENA、洋上風力特許の増加について報告