COP28、IRENAとGRAと共に2030年までに再エネ発電容量3倍に向けたロードマップを発表

10月30日、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の開催国であるアラブ首長国連邦(UAE)、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)、世界自然エネルギー連合(GRA)は、2030年までに世界の再生可能エネルギー発電容量を3倍の11,000GWに、エネルギー効率を年平均2倍に改善するための共同報告書「Tripling Renewable Power and Doubling Energy Efficiency by 2030: Crucial Steps Towards 1.5 °C」を発表した。

本報告書は、世界の再生可能エネルギー容量を少なくとも11,000GWまで増加させるとともに、目標期間中のエネルギー効率改善を年平均で倍増させる方法について、政府と民間部門に実行可能な政策提言を提供するものである。これは、COP28議長国の行動アジェンダの目標である、1.5℃を達成し続けるための公正で秩序あるエネルギー転換の迅速な推進に該当する。

本報告書は、COP28の1ヶ月前にアブダビで開催されたプレCOPの傍らで発表された。プレCOPは、世界気候サミットでの交渉に向け、各国が基礎固めをするための会議である。

本報告書は、IRENAの「World Energy Transitions Outlook 2023: 1.5 °C pathway」に掲載された分析結果を広範に引用しており、主要な政策を5つのセクションに分け、以下の内容を網羅している。

  • インフラとシステム運用:電力網、エネルギー貯蔵、最終用途の電化、セクター連結とインフラ計画、需要側管理
  • 政策と規制:エネルギー効率の改善、市場インセンティブと財政政策、電力市場の設計と規制、許認可の合理化、負の影響の削減、社会的・環境的便益の最大化
  • サプライチェーン、技能、能力:レジリエントなサプライチェーンの構築、教育、訓練、能力開発
  • 公的・民間資金の拡大
  • 国際協力の強化

【参照ページ】
(原文)COP28, IRENA and Global Renewables Alliance outline roadmap at Pre-COP on fast-tracking the energy transition by tripling renewable power and doubling energy efficiency by 2030
(日本語参考訳)COP28、IRENAとGRAと共に2030年までに再エネ発電容量3倍に向けたロードマップを発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-6

    CDPとTNFD、2025年質問票の対応マッピングを公開

    10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対…
  2. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-5

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    ※2025年11月4日公開済みの記事にTNFDが発行した「Nature in transition…
  3. 2025-10-29

    イベントレポート サステナビリティ経営フォーラム2025

    『本質に迫る対話とデータ活用 ~信頼を築く情報開示と戦略の再構築~』 ESG Journal…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る