10月20日、欧州委員会は、戦略的エネルギー技術(SET)計画の改定を発表した。これは、当初のSET計画の戦略目標を、欧州グリーン・ディール、REPowerEU計画、グリーン・ディール産業計画(特にネット・ゼロ産業法)と調和させるものである。
2007年に設立されたSET計画は、欧州の産業界、学界、各国政府間のクリーンエネルギー研究と技術革新における調整と協力を通じて、クリーンで効率的かつコスト競争力のあるエネルギー技術の開発を支援する上で極めて重要な役割を果たしてきた。更新された計画は、欧州研究領域(ERA)の枠組みにも定着することになる。
欧州委員会は、今回の改訂で、デザインによるサステナビリティ、技能開発、社会のニーズに合わせた研究と革新、デジタル化、市場へのアクセスなど、分野横断的な問題に関する新たな優先事項を盛り込んだ。それにより、クリーンで効率的なエネルギー技術の開発と展開に対する包括的なアプローチを促進する狙い。
また、欧州委員会は、同計画がEUでの再生可能エネルギー技術の発展に大きく寄与したと認識し、現在の技術範囲を拡大してすべての戦略的再生可能エネルギー技術を包含する考えを示した。
さらに、「グリーン水素に関するERAパイロット計画」を実施するため、水素に関する専門作業部会を設置する。加えて、欧州技術・イノベーションプラットフォームと、電池同盟、クリーン水素同盟、太陽光発電産業同盟を含む欧州産業同盟との協力を強化すると述べた。
各々の進捗状況はモニタリングし、SETプラン情報システム(SETIS)を通じて公表する。
【参照ページ】
(原文)Updated Strategic Energy Technology Plan for Europe’s clean, secure and competitive energy future
(日本語参考訳)欧州委員会、戦略的エネルギー技術計画を更新。戦略目標を欧州グリーン・ディール計画等と調和