CBI、セメントセクターの脱炭素化に関する新しい政策文書を発表

10月19日、Climate Bonds Initiative(CBI)は、新しい政策文書「セメントセクターのネット・ゼロへの移行」を発表した。本文書は、持続可能な金融市場と政策がいかにしてセメントセクターの脱炭素化を支援し、セメント産業をネット・ゼロの未来に導くことができるかを示している。

セメント生産は、世界の排出量の約7%を占め、分野別では鉄鋼に次いで排出量が多い。セメントは、多くの産業、特に建設やインフラのサプライチェーンに欠かせない重要な資材であり、セメント生産の脱炭素化は、これらの分野の転換を実現する重要な要素である。

CBIによると、世界のセメント産業の転換に必要な資本は、2030年から2040年の間に年間700億米ドル(約10.5兆円)に達する可能性がある(現在の2倍)。また、コンクリートが一般的な建築物に占める割合が5%程度であることから、低炭素コンクリートが従来のコンクリートより50%高いという高い見積もりのシナリオでも、新しい建物のコストに与える影響は3%未満であると試算した。

【参照ページ】
(原文)Cementing the global net zero transition
(日本語参考訳)CBI、セメントセクターの脱炭素化に関する新しい政策文書を発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る