10月16日、ファッション小売企業のInditexは、低炭素燃料の使用を通じて、海上輸送によるインディテックスの世界的な温室効果ガス(GHG)排出量を削減することを目的とした、総合コンテナ物流企業A.P. Moller – Maerskとの新たなパートナーシップを発表した。
新協定に基づき、InditexはMaerskとのすべてのインバウンド航路に、グリーンメタノールや廃棄物原料由来のバイオディーゼルなどの代替燃料を導入する。本契約は、 MaerskのECOデリバリー・プログラムを通じて結ばれたもので、化石燃料をグリーン燃料に置き換えることで直接的な排出削減を可能にし、監査によるCO2削減と第三者による検証を提供する。
グリーン燃料を使用することで、従来の燃料源と比較して、1リットル当たりの温室効果ガス排出量を80%以上削減できると推定される。
ZARAやMassimo Duttiなどのブランドの親会社であるInditexは、2030年までにバリューチェーンのスコープ3排出量を含む排出量を50%削減し、2040年までに全事業分野でネット・ゼロ企業になることを約束している。2021年には、2040年までに海上輸送をゼロ・カーボン輸送に移行することを約束した。同社はまた、気候変動に前向きな貨物船主のためのプラットフォームであるThe Cargo Owners for Zero-Emission Vessels (coZEV)のメンバーでもあり、ゼロ・カーボン・ソリューションを推進するための具体的な共同プロジェクトを展開している。
Maerskは低炭素船隊の拡充に向けた一連の動きを発表しており、2021年の世界初のカーボンニュートラルなメタノール燃料コンテナ船の発注を皮切りに、25隻のメタノール対応船を発注している。同社は今年初め、化石燃料を燃料とする既存のコンテナ船をメタノールを燃料とする二重燃料船に改造する業界初の改造計画を発表し、今後の改造計画も発表した。同社は一連の炭素削減目標を発表しており、その中には2040年に全事業・全範囲でガス排出量ネットゼロを達成する目標や、2030年までに海上輸送船隊のコンテナ輸送量当たりの排出量を50%削減する目標、完全管理されたターミナルからの絶対排出量を70%削減する目標などが含まれている。
【参照ページ】
Inditex partners with Maersk to reduce its maritime transport emissions