欧州理事会、自動車の排ガス規制基準「ユーロ7」に関する見解を採択

9月25日、EU加盟国閣僚級の欧州理事会は、自動車の新たな排出ガス規制基準「ユーロ7」に対する見解「一般的アプローチ」を採択した。新規制は、自動車、バン、大型車を初めて単一の法律でカバーするもの。自動車の排出ガスに関するより適切な規則を定め、道路交通からの大気汚染物質排出のさらなる低減を目的としている。

「一般的アプローチ」では、小型車については現行の排出ガス規制と試験条件を維持。大型車の場合、排出ガス規制値は引き下げられ、試験条件も若干調整される。ユーロ7には、都市バスに関する特別規定も含まれており、これらの車両について新たに提案された2030年のゼロ・エミッション目標との一貫性を確保している。

ユーロ7では、ブレーキやタイヤから排出される粒子などの非排気エミッションの規制値を設定。EVにおけるバッテリーの耐久性に関する最低性能要件をカバーし、より厳しい車両寿命要件も課している。また、先進技術や排出ガス監視ツールの使用も規定されている。

一般的アプローチは、理事会の交渉姿勢を正式に示すもの。理事会議長国には欧州議会との交渉のための権限が与えられ、欧州議会がその立場を採択し次第、交渉が開始される。

【参照ページ】
(原文)Euro 7: Council adopts position on emissions from cars, vans, buses and trucks
(日本語参考訳)EU理事会、自動車の排ガス規制基準「ユーロ7」に関する見解を採択

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-8

    欧州委員会、サステナビリティ報告関連法規(第三国ESRS)の制定を延期へ

    10月6日、欧州委員会は金融サービス分野における115の「重要ではない2次法(regulatory…
  2. SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    2025-10-7

    SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    サステナビリティ情報開示の質を高めることは、今や重要な経営課題である。単なる開示義務の遵守ではなく…
  3. 2025-10-7

    投資家が注目する「気候対応」クライメイトウィーク2025が示した新潮流

    9月21日から28日まで国連総会と並行して開催されたクライメイトウィークNYC 2025は過去最大…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る