UNEP FI、ISSBアジェンダ優先事項に関するIFRS協議に回答

9月2日、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)は、ISSBの最初の基準である2022年の「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する一般要求事項(S1)」と「気候関連開示に関する一般要求事項(S2)」に関するIFRS協議への回答に続き、ISSBの今後の優先課題についてIFRS協議に回答した。

UNEP FIは、世界共通の報告ベースラインを提供するというISSBの継続的な開示基準のビジョンに基づき、以下の点を強調した。

  • 既存基準の強化、特にS1開示、適用要件、企業が短期・中期・長期の持続可能性リスクと機会を特定する方法に関するガイダンスを優先する必要性。UNEP FIの2022年コンサルテーションへの回答で指摘されているように、情報利用者が意思決定のためにすべての重要な情報を提示できるようにするためには、総合的な影響特定プロセスが必要である。
  • 確実な導入と質の高い開示を推進するために、実施ガイダンスを提供することの重要性。
  • 持続可能な開発のための2030アジェンダや持続可能な開発目標(SDGs)など、既存の国際的な基準や枠組みを継続的に構築することの重要性。UNEP FIは、ISSBの研究作業を、相互に結びついた複数の「領域」と「圧力」を包含する「自然」というより広範な概念と、国際条約、特に国連人権条約とILO条約によって捉えられた様々な懸念を包含する包括的テーマとして理解される「社会問題」に焦点を当てることを推奨する。

【参照ページ】
(原文)UNEP FI responds to IFRS Consultation on ISSB agenda priorities
(日本語参考訳)UNEP FI、ISSBアジェンダ優先事項に関するIFRS協議に回答

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る