8月28日から9月2日まで生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)は、第10回総会をドイツのボンで開催した。公表した「侵略的外来種とその防除に関する評価報告書」(侵略的外来種報告書)では、多くの人間活動によって37,000種以上の外来種が世界中の地域や生物圏に持ち込まれたことを明らかにした。また、生物多様性と生態系への劇的な変化とともに、侵略的外来種による世界の経済的コストは、2019年には年間4230億ドル(約62兆円)を超え、1970年以来10年ごとに少なくとも4倍に増加していることも明らかにした。
侵略的外来種は、土地・海洋利用の変化、生物の直接搾取、気候変動、汚染と並んで、生物多様性喪失の世界的な5大直接要因のひとつである。最近採択された昆明・モントリオール世界生物多様性フレームワークのターゲット6は、「侵略的外来種が生物多様性と生態系サービスに与える影響を排除、最小化、軽減、緩和する」ことである。IPBESの侵略的外来種アセスメントは、侵略的外来種の現状と傾向、その影響、促進要因、管理、外来種がもたらす課題に効果的に対処するための政策の選択肢を理解し、意思決定者を支援する必要性に応えるものである。
侵略的外来種アセスメント
- 生物多様性と生態系サービスに影響を与える侵略的外来種の評価する。
- 農業生物多様性、食料、人間の健康と生活の安全保障への影響を含む、生物多様性と生態系サービスの様々なカテゴリーに外来種がもたらす脅威の程度を分析する。
- このような種の導入と拡散の主要な経路と促進要因を特定する。
- 様々な知識や価値体系を考慮し、地域や小地域ごとの侵略的外来種の影響や関連する管理介入の世界的な現状と傾向を明らかにする。
- 侵略的外来種を予防、根絶、管理するために採用されうる現在の国際的、国家的、地域的な管理措置と関連する政策オプションの有効性を、対応オプションに重点を置いて評価する。