IKEAの親会社Ingka、クリーンエネルギー目標を支援する初の蓄電池プロジェクトを開始

 

9月8日、IKEAの親会社であるIngka Groupの投資部門Ingka Investmentsは、再生可能エネルギー企業Apex Clean Storageと提携し、同社初の蓄電池プロジェクトであるCameron Storageの立ち上げを発表した。

両社によると、テキサス州キャメロン郡にあるIngkaの165メガワット・キャメロン風力発電所と併設される、容量16.4メガワットの本プロジェクトは、エネルギー需給が変動する中、テキサス州の送電網の信頼性向上をサポートするもの。本プロジェクトは10月に商業運転を開始する予定である。

エネルギー貯蔵ソリューションは、エネルギー転換の重要な投資分野として浮上している。風力や太陽光など多くの再生可能エネルギー源が断続的な発電であり、24時間エネルギー需要を満たしながら、エネルギーを無駄にしない必要があることから、蓄電は急速に拡大するクリーン・エネルギー転換の主要なビルディング・ブロックのひとつを形成している。

本プロジェクトは、2030年までに再生可能エネルギーへの投資を65億ユーロ(約1兆232億円)に拡大するという2021年のIngka・インベストメンツのコミットメントに続くものである。Ingkaは2009年以来、再生可能エネルギーにすでに35億ユーロ(約5,500億円)以上を投資・コミットしており、現在、17カ国で575基の風力タービン、20カ所のソーラーパーク、IKEAストアや倉庫の屋根に設置された93万5000枚のソーラーパネルを所有・管理しており、総発電容量は230万kWを超える。

さらに同社は、2030年までに自社のバリューチェーンが排出する温室効果ガスよりも多くの温室効果ガスを削減し、気候変動に積極的に対応するというIKEAの公約の達成を支援する取り組みの一環であると付け加えた。

【参照ページ】
(参考記事)IKEA Parent Ingka Launches its First Battery Storage Project

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