米エネルギー省、EV転換の支援に向け2.3兆円の拠出を発表

8月31日、米エネルギー省(DOE)は、主にEVへの移行に際して既存工場を改修するための155億ドル(約2.3兆円)の資金・融資パッケージを発表した。

本資金には、EVと部品の製造のための補助金として「国内製造転換補助金」の20億ドル(約3,000億円)が含まれる。EV、効率的なハイブリッド車、プラグイン電気ハイブリッド車、水素燃料電池自動車の国内生産が対象。本補助金は、EV転換において、労働者と地域社会にとって公正な移行を支援することを目的としているため、高賃金と労働協約の維持にコミットする事業者が優先される。また本資金援助を受けた事業者は、クリーンエネルギーへの移行から利益を得られるようにすることを目的とした、大統領の「Justice40 Initiative」にも貢献しなければならない。

DOEはまた、「先進技術自動車製造融資プログラム」に基づき、質の高い雇用維持を行う申請事業者に対し、最大100億ドル(約1.5兆円)を融資する。申請事業者は、高賃金・福利厚生の維持や、設備改修の際、新設備が完成するまで既存の設備を稼動させることなどが要求される。

米国のEVバッテリー製造強化と国内サプライチェーンの強化に向け、約35億ドル(約5,000億円)も融資する。本資金は、インフラ・雇用促進法によってを財源とし、電池材料、電池部品、電池製造のための国内商業施設の新設、改修、拡張を支援する電池材料加工・電池製造助成金の第2弾となる。

本発表は、バイデン大統領の「Investing in America」アジェンダによって実現した。本アジェンダは、国のインフラ再建、5,000億ドル(約74兆円)以上のクリーン・エネルギーへの投資、高賃金の雇用創出を目的としている。

【参照ページ】
(原文)Biden-Harris Administration Announces $15.5 Billion to Support a Strong and Just Transition to Electric Vehicles, Retooling Existing Plants, and Rehiring Existing Workers
(日本語参考訳)米エネルギー省、EV転換の支援に向け2.3兆円の拠出を発表

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-12-6

    金融庁、「記述情報の開示の好事例集2024(第1弾)」を発表:サステナビリティに関する開示を強化

    11月8日、金融庁は「記述情報の開示の好事例集2024(第1弾)」を公表した。本事例集は、企業がサ…
  2. 2025年に向けたESG投資とインパクト投資の動向予測と戦略

    2024-12-4

    2025年に向けたESG投資とインパクト投資の動向予測と戦略

    2024年は、サステナビリティ分野において大きな変化が見られた年である。米国ではトランプ前大統領が…
  3. 2024-12-4

    EU、強制労働製品の市場禁止規制を採択

    11月19日、欧州理事会は強制労働で生産された製品をEU市場での販売や輸出を禁止する規制を採択した…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る