ユニリーバ、自社公式ウェブサイトのCO2排出量削減方法を公開

12月13日、消費財世界大手ユニリーバは、自社公式ウェブサイトから排出されるCO2排出量(デジタル・カーボン・エミッション)の影響を理解するため、ウェブサイトのデジタル・カーボンフットプリントを測定し、取るべきアクションを公表した。

インターネットに電力を供給するインフラ、インターネットがホストするウェブサイト、そしてインターネットが生成するデータは、すべて電力によって支えられている。化石燃料を燃やして発電された電力は、環境に大きな影響を与える。ランカスター大学の研究者によると、情報通信技術(ICT)部門が世界の排出量の2.1~3.9%を占めていると推定している。

ユニリーバは今回、電力消費量低減による排出量削減アクションとして5つの方法を公開した。

  1. グリーン・ホスティング
    ユニリーバのサイトはすべてNetlifyにあり、クラウドプロバイダーとしてGoogle CloudとAmazon Web Servicesを使用している。両社は、風力、太陽光、水力などのクリーンで持続可能なエネルギー電力でデータセンターを稼動させている。アマゾン・ウェブ・サービスは、2025年までに再生可能エネルギーを100%使用する計画も掲げる。
  2. 画像のエネルギー負荷の削減
    画像はウェブ上で最も人気のあるリソースな上、データやエネルギーの使用量も最大となる。この負荷を軽減するため、ユニリーバはJPEGやPNGといった古いフォーマットの代わりにWebPで画像を保存している。これにより、画質を損なうことなく、JPEGよりも最大30%少ないデータ使用量で、画像をより小さなファイルサイズに圧縮することができる。
  3. 省エネの「ダークモード」での表示
    同社のウェブサイトの検索バーの左側に「テーマ」というボタンをクリックすると、サイトをダークモードで表示することが可能。本オプションは、ほとんどのモバイルで使用されているOLEDスクリーンでサイトを表示した場合、データ使用量が少なく読み込みが速いため、画面エネルギーを最大42%節約することができる。また、ダークモードは目への負担が少ないため、サイトをより利用しやすくする。
  4. 動画に再生・一時停止ボタンを追加
    すべての動画に再生・一時停止ボタンを追加。一部の動画はまだ自動再生しているものの、エネルギーを消費につながらないよう、動画をアニメーションやイラスト、静止画像への置き換えを目指している。
  5. 廃棄物ゼロのデザイン思考
    ウェブサイトやウェブページが重く複雑であればあるほど、データの送信と処理に多くのエネルギーを必要とする。ユニリーバは、デザイナー、開発者、プロダクト・マネージャー全員が、各ページの目標予算1.5メガバイト(世界平均は2.4メガバイト)を厳守している。これにより、ページがよりアクセスしやすくなり、すべてのアセットがユーザー・エクスペリエンスに付加価値を与えるようになる。

【参照ページ】
(原文)How we’re reducing the carbon footprint of our websites
(日本語参考訳)ユニリーバ、自社公式ウェブサイトのCO2排出量削減方法を公開

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る