9月12日、食品・飲料大手のネスレは、カカオの殻を利用して低炭素肥料を生産し、農業のGHG排出の原因に対処することを目的とした、新たなパイロット・プロジェクトの開始を発表した。
農業は、GHG排出の大きな割合を占め、気候変動への影響が最も懸念される分野であることから、気候変動対策の主要な重点分野として浮上している。この部門は、食品・飲料部門が気候変動に与える影響の大部分を占めており、ひいては世界のGHG排出量の約3分の1を占めている。
英国を拠点とする本プロジェクトでは、世界最大のココア消費企業のひとつであるネスレが、ヨークにある製菓工場から出るココアの殻を低炭素肥料の製造に利用できるかどうかを評価する。2年間の試験で、作物生産、土壌の健全性、GHG排出量に対する肥料の性能を評価する。本プロジェクトが成功すれば、最大7,000トンの低炭素肥料(同社の英国での小麦生産に使用される総量の約25%)が生産され、英国の小麦サプライチェーンの農家に提供される可能性があると同社は述べた。
ネスレは2019年に、2050年までにGHG排出量をネット・ゼロにするというコミットメントを発表し、2020年には、2025年までに20%、2030年までに50%の排出量削減を達成するという目標も含む、気候変動目標を達成するための「期限付き計画」を発表した。
【参照ページ】
(原文)Transforming cocoa husks into low-carbon fertilizer in new pilot from Nestlé and partners
(日本語参考訳)ネスレ、食品廃棄物から低炭素肥料を生産するプロジェクトを開始