アジア主要銀行の気候ストレステスト、海面上昇による気候被害を指摘

8月21日、アジア機関投資家の気候変動イニシアティブAIGCCと香港の気候変動シンクタンクCWRは、アジア・オセアニア地域の銀行に対する公開書簡の中で、アジア太平洋地域における海面上昇による気候被害に対応するため、銀行のストレステストを強化すべきだと述べた。この地域の2億3千万人が2050年までに深刻な危険にさらされ、海面上昇に伴う世界的なコストは年間14兆米ドル(約2千兆円)に達する可能性があると指摘している。

AIGCCとCWRは、書簡の中でストレステストの改善を以下のように提言した。

  • 海面上昇は2050年以降に加速すると予想されるため、リスクが適切に捕捉されるよう、50~80年という適切な時間軸を使用する
  • 2100年までに少なくとも2mの海面上昇を最低限、場合によっては5mのシナリオも分析に含める
  • 海面上昇リスクへの対応で、政府の対策可能性も考慮にいれる

【参照ページ】
(原文)Key Asian Banks’ Stress Tests Miss Coastal Threats, say Investors and Think Tank
(日本語訳)アジアの主要銀行ストレステスト、海面上昇による気候被害を指摘

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. 2025-7-10

    EUタクソノミーの簡素化で企業の負担軽減へ―欧州委、報告義務緩和を採択

    7月4日、欧州委員会は、EU共通の分類基準であるEUタクソノミーに関する一連の簡素化措置を採択した…
  3. 2025-7-9

    ISSB、SASB基準の包括的見直し案を公表

    7月3日、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、SASB基準の改訂案およびIFRS S2実…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る