bp社は、2030年までに最大500MWeの水素製造が可能な大規模なグリーン水素施設をティースサイドに開発する計画を発表した。これにより、英国北東部をクリーン水素の主要なハブとして確立し、産業や大型輸送部門の脱炭素化を推進する。
新プロジェクト「HyGreen Teesside」は、需要に合わせて複数の段階で開発される予定であり、
bpは初期段階で2025年までに60MWeの水素製造設備を開発することを計画している。
水素はよりクリーンなエネルギーへの移行のための重要な構成要素の一つと考えられている。特に、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる解決策が現実的ではない排出量の削減が困難な分野では水素は重要な役割を果たす。
一方で水素は宇宙で最も豊富な元素であるにもかかわらず、地球上には純粋な鉱床がなく他の物質から抽出する必要があり、その抽出プロセスではしばしば汚染物質やGHGの排出が発生する。再生可能エネルギーによる電気分解で水から水素を取り出す「グリーン水素」や、天然ガスを水素とCO₂に変換して回収・永久保存する「ブルー水素」など、クリーンな抽出プロセスの開発には多額の投資が必要だ。
bp社のHyGreen Teeside計画は、同社が今年初めに発表した同地域における青色水素製造施設「H2Teesside」の計画に続くもので、2030年までに1GWの製造能力を目標としており、英国最大の水素プロジェクトとなる。
bp社によると、これらのプロジェクトはティーサイドが英国初の大規模な水素輸送ハブとして出現することを支援し、英国内の重量物輸送、空港、港、鉄道の大規模な脱炭素化を可能にすることを目指している。
ティースサイドの水素ハブの開発は英国の脱炭素化戦略に大きく貢献するものだ。2020年11月、英国のボリス・ジョンソン首相は、再生可能エネルギー、クリーンモビリティ、グリーンビルディング構想などの分野に数十億ポンドの投資を行うことを含む、英国のグリーン産業革命のための10項目の計画の立ち上げを発表した。その中で、低炭素水素製造は、2030年までに5GWの製造能力を目標としており、この計画の重要な要素となっている。
【参照ページ】
(原文)bp plans major green hydrogen project in Teesside
(日本語訳)BP社、英国での大規模なグリーン水素プロジェクトを計画、輸送部門の脱炭素化に貢献