7月14日、バイデン政権は、米国環境保護庁(EPA)を通じて、地域社会や中小企業レベルでの気候変動およびクリーンエネルギー・プロジェクトへの融資を目的とした、総額200億ドル(約2.8兆円)規模の2つの新プログラムの開始を発表した。
新プログラムは、昨年のインフレ削減法によって創設された温室効果ガス削減基金の下に設置されるもので、気候変動対策に資金と民間資本を動員する。同基金は3つのプログラムで構成されており、今回の2つの新イニシアティブと、先月開始された70億ドル(約9,925億円)のプログラムでは、低所得者層に焦点を当てた住宅用および地域用の太陽光発電プロジェクトが実施される。
新プログラムには、140億ドル(約1.9兆円)の国家クリーン投資基金が含まれる。この基金は、家庭、企業、地域社会におけるクリーン技術プロジェクトに資金を提供するため、民間部門と提携する新たな国家非営利クリーン融資機関に助成金を提供するものである。EPAによると、本プログラムからの資金の少なくとも40%は、低所得者や不利な立場にあるコミュニティに充てられる。
同政権はまた、60億ドル(約8,500億円)のクリーン・コミュニティ投資アクセラレーターを立ち上げた。同プログラムの資金は100%、低所得者や不利な立場にあるコミュニティに充てられ、金融機関のクリーンな融資能力を地元で構築するための資金と技術支援を提供する。
ハリス副大統領によると、新プログラムで資金が提供される可能性のあるプロジェクトには、新しい住宅プロジェクトでエネルギー効率の高い家電製品を設置できるよう建設会社に資金を提供したり、中小企業の経営者が配送車両の電化を行うために金利ゼロの融資を受けられるよう支援したりすることなどがある。
バイデン政権は気候変動対策に重点を置いている。大統領就任初日に米国をパリ協定に復帰させ、2050年までにネット・ゼロを達成することを約束したのを皮切りに、2030年に経済全体の温室効果ガス(GHG)排出量を50~52%削減するという暫定目標を掲げている。
【参照ページ】
(原文)FACT SHEET: Biden-Harris Administration Launches Historic $20 Billion Competition to Catalyze Investment in Clean Energy Projects and Tackle the Climate Crisis
(日本語参考訳)バイデン氏、約2兆円の気候変動・クリーン技術プロジェクト融資プログラムを開始