7月11日、欧州委員会は、貨物輸送部門の効率性と持続可能性の向上を目的とした新たな一連の措置案を発表した。これには、電気大型車へのシフトを加速させることを目的とした規則の導入、鉄道への貨物輸送の誘致、船会社によるカーボンフットプリントの伝達支援などが含まれる。
新たな措置は、EUの輸送部門の脱炭素化戦略の一環であり、EUのグリーン・ディール計画の一環でもある。グリーン・ディールとは、EU域内を近代的で資源効率に優れ、競争力のある経済に変革し、2050年までに気候中立性を達成するという計画である。
EUの気候戦略には、2050年までに輸送の排出量を90%削減するという目標が含まれている。欧州委員会によると、貨物は輸送排出量の約30%を占めており、脱炭素化策を講じなければ、2050年までに50%増加すると予想されている。EUにおける貨物の約53%は道路によって運ばれている。
欧州委員会が発表した新規制には、大型車の長さ、幅、高さの最大重量を定めているEUの重量・寸法指令の改正案が含まれており、一般的に車両重量が増加するゼロエミッション技術を使用した車両の重量増を認める。欧州委員会によると、この改正は、よりクリーンな車両の普及を促進し、技術が発展して軽量化されるにつれて、ゼロエミッション車が積載量を増やすことで利益を得ることを可能にする。
また、同提案には、国境を越えた調整の改善、定時性と信頼性の向上など、鉄道輸送の利用を最適化するための措置も含まれている。新提案には、欧州単一鉄道圏内の鉄道インフラ容量の利用をよりよく調整し、しばしば国境の遅延につながる現在の断片的なアプローチから脱却することを目的とした、インフラ管理者と鉄道事業者に対するインセンティブが含まれている。
欧州委員会はまた、ISO/CENの新規格に基づき、海運会社が温室効果ガスの排出量を計算するための共通アプローチを提案した。
【参照ページ】
(原文)Greening freight for more economic gain with less environmental impact
(日本語訳)環境に負荷をかけず、経済的利益を上げるグリーン化貨物輸送