3月26日、チューリッヒを拠点とするDAC(Direct Air Capture)プロバイダーのクライムワークスは、レゴ・グループと新たに9年間の炭素除去契約を結んだと発表した。
この新しい契約には、レゴ・グループを所有するデンマークのクリスチャンセン家のファミリーオフィスであるKIRKBIとの炭素除去契約も含まれている。これらの契約を合わせると、280万ドル(約4億円)以上となる。
レゴ・グループは昨年、2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成すること、科学的目標イニシアティブ(SBTi)と協力し、スコープ1と2の排出量、および同社のカーボンフットプリントの98%を占めるスコープ3のサプライチェーン排出量をカバーする排出量削減目標を策定すること、そして今後3年間で環境持続可能性イニシアティブに14億ドル(約2,119億円)以上を投資することを含む、一連の気候関連公約を発表した。
レゴ・グループは、工場、オフィス、店舗、サプライチェーンからの排出量削減を最優先としながらも、直接的な空気回収・貯留は、炭素排出量に対処するための取り組みポートフォリオの一部となり、新しい契約は、炭素除去ソリューションの規模を拡大するクライムワークスを支援することになると述べた。
DAC技術は、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去オプションとして挙げているもので、大気中からCO2を直接抽出して原料として使用したり、貯蔵と組み合わせることで永久的に除去したりする。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の画期的な気候変動緩和研究(2022年)によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオには、今後数十年にわたって年間数十億トンに拡大する二酸化炭素除去方法が含まれており、DACはその大部分を占める可能性がある。
2009年にクリストフ・ゲバルトとヤン・ヴルツバッハーによって設立されたクライムワークスは、DACのリーディング・プロバイダーとして頭角を現した。2022年、同社はDAC能力の拡張を目的とした株式資金調達ラウンドで約6億5,000万ドル(約983億円)を調達した。その後、同社は「マンモス」と呼ばれる3万6,000トンの新しいDAC施設の建設に着手し、最近完成間近であると発表した。また、米国エネルギー省から最大12億ドル(約1,816億円)の助成金を受けることが決まった一連の大規模DACプロジェクトにも参加している。
【参照ページ】
(原文)Climeworks signs 9-year agreement with the LEGO Group and KIRKBI
(日本語参考訳)クライムワークス、レゴ・グループおよびKIRKBIと9年契約を締結