IIGCCとTPI、銀行のネット・ゼロ基準とネット・ゼロ・バンキング評価フレームワークを発表

6月5日、気候変動に関する欧州機関投資家グループ(IIGCC)は、機関投資家大手120機関以上が参加する低炭素経済推進イニシアティブTransition Pathway Initiative Global Climate Transition Centre(TPIセンター)と協議の上、ネット・ゼロへの移行に関する投資家の期待を定めた「銀行のためのネット・ゼロ基準」を発表した。

本基準は、「銀行のコミットメント」「目標」「エクスポージャーと排出量の開示」「排出パフォーマンス」「脱炭素戦略」「気候ソリューション」「政策への関与(ロビー活動)」「気候ガバナンス」「公正な移行」「年次報告と会計開示」の10分野を中心に構成されており、ネット・ゼロ投資フレームワーク(NZIF)を補完するものである。

本基準は、気候変動に関するコミットメントの継続的な実施を支援するため、銀行との建設的な関わりをサポートする。必要に応じて、新たな手法・政策・規制など、関連する進展を反映するために、今後も進化・改良を続けていく。

TPIセンターは、欧州、北米、アジアの26行を対象に、毎年ネット・ゼロ・バンキング評価フレームワークを用いて評価を行う。TPIセンターが今年後半に初回評価を発表する銀行は、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、カナダロイヤル銀行(RBC)、モントリオール銀行、トロント・ドミニオン銀行、スコシアバンク、HSBC、バークレイズ、BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、クレディ・アグリコル、ドイツ銀行、ING、UBS、中国工商銀行(ICBC)中国農業銀行、中国銀行、中国建設銀行、CIBC、と、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループの26行。

【参照ページ】
(原文)IIGCC and TPI Centre launch Net Zero Standard for Banks and Net Zero Banking Assessment Framework
(日本語訳)IIGCCとTPI、銀行のネット・ゼロ基準とネット・ゼロ・バンキング評価フレームワークを発表

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