西中央太平洋漁業委員会(WCPFC)、漁業戦略で画期的合意

西中央太平洋漁業委員会(WCPFC)、漁業戦略で画期的合意

12月5日、海洋管理協議会(MSC)は、西中央太平洋漁業委員会(WCPFC)の代表者に対し、世界最大のマグロ資源を保護するための重要な措置の合意について大きな前進があったとして、祝意を表した。

WCPFCの加盟26カ国の政府代表がベトナムのダナンで3年ぶりに顔を合わせた。マグロ資源の長期的な健全性を確保するためには、加盟国が長年交渉しても実現しなかった漁獲戦略についての合意が不可欠である。

12月3日(土)の会議の結論として、代表団は漁獲戦略に関する多くの措置について合意に達した。これらの措置は公表されるまで、将来の漁業管理の指針となるもので、マグロ資源が現在の持続可能な水準を下回った場合に回復を可能にする「セーフティネット」を構築する。

最も重要なことは、委員会が、西中央太平洋(WCPO)で最も豊富なマグロ類であるカツオの漁獲戦略を採用することに同意したことである。また、欧州委員会は、資源が持続可能なレベルを下回る前に、すべてのマグロ種について漁獲戦略を導入するとの約束を再確認した。

これは、2週間前に大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)が大西洋クロマグロの漁獲戦略を採択するという画期的な合意を行ったことに続くものである。

ダナンでの合意事項は、最終的に公表された後、WCPOの33のマグロ漁業に対するMSC漁業認証の審査を担当する独立した適合性評価機関(CAB)によって審査され、現在行われているマグロ漁業認証にどのような影響を与えるかが判断される予定である。

MSC認証の最低要求事項を引き続き満たしているマグロ漁業は、新バージョンのMSC漁業基準を早期に適用する機会が与えられ、より包括的で最先端の漁獲戦略に関する新たな要求事項を満たすために5年間が与えられることになる。

【参照ページ】
(原文)Breakthrough in Western Central Pacific points to a ‘sea change’ in international fisheries management
(日本語参考訳)西中央太平洋漁業委員会(WCPFC)、漁業戦略で画期的合意

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る