6月15日、Microsoftは、サステナビリティ・プラットフォーム「Microsoft Cloud for Sustainability」に追加する一連の新機能を発表し、企業が新たなESG報告要件や規制を満たすための機能、スコープ3排出量の計算、カテゴリーやデータソースにわたる幅広いESGデータの収集と管理などの更新を行った。
Microsoftは、SaaS(Software as a Service)ツールを通じて、企業が排出量を記録、報告、削減、交換できるようにすることに焦点を当てたCloud for Sustainabilityプラットフォームを2021年に発表し、昨年、本ツールを、組織が事業全体とバリューチェーンの排出量の影響について、ますます自動化したビューを提供するデータインテリジェンス重視のソリューション、Sustainability Managerに統合した。
同プラットフォームに追加される新機能の中には、ESG関連の報告や監査要件への準備を支援することを目的とした機能があり、2024年に適用が開始されるEUの「企業持続可能性報告指令(CSRD)」の基礎となる欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)に必要なデータの収集に役立つ新しいCSRDテンプレートがある。Microsoftは、他のESG規制や基準についても、定義や導入が進むにつれ、あらかじめ組み込まれた報告テンプレートを導入する予定であり、Science Based Targets initiative(SBTi)指定に対する進捗状況を追跡する機能も追加すると述べている。
Microsoftはまた、2023年7月からプレビューを開始するProject ESG Lakeを発表した。本データプラットフォームは、組織が様々なソースからESGデータを集めて標準化し、”集中型ESGエステートを構築 “することを可能にする。ソリューションには、炭素、水、廃棄物、社会、ガバナンス、生物多様性、一般事業分野などのカテゴリーにわたる400以上のテーブルが含まれている。
また、今回のアップデートでは、Microsoft Cloud for Sustainabilityの排出量計算機能が拡張され、スコープ3(バリューチェーン)の全15カテゴリーを含むようになった。Microsoft Sustainability Managerは、2022年6月にScope 1と2の測定に対応したサービスを開始し、10月にはScope 3の排出量を追跡する初期機能を発表している。7月にプレビューされた新しいアップデートでは、プラットフォームは、販売製品の加工に関連する排出(カテゴリー10)、販売製品の使用に伴う排出(カテゴリー11)、フランチャイズ運営に伴う排出(カテゴリー14)、化石燃料とエネルギーによるその他の排出(カテゴリー3)、投資に伴う排出(カテゴリー15)を含む最後のスコープ3カテゴリーを追加する。
Microsoftが発表した追加機能には、廃棄物や水のデータ機能、追跡と透明性の向上、クレジットの質と量の改善を支援する炭素クレジットのサービスなどがある。
【参照ページ】
(原文)Introducing new ESG data and reporting capabilities in Microsoft Cloud for Sustainability
(日本語訳)Microsoft、サステナビリティ・プラットフォームにESGレポーティングとスコープ3排出権機能を追加