11月22日、米国証券取引委員会(SEC)は、ゴールドマン・サックスの資産運用部門が、一部のESGファンドについて方針と手続きを実施せず、従わなかったとして、起訴したことを発表した。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)は、SECの調査結果を認めることも否定することもなく、告発を解決するために400万ドル(約5億円)のペナルティを支払うことに同意している。
今回の告発は、ESGをテーマにしたGSAMの3つのポートフォリオ、ゴールドマン・サックスESG新興市場株式ファンド、ゴールドマン・サックス国際株式ESGファンド、米国株式ESG個別管理勘定戦略、における2017年から2020年までの方針および手続きの不備に関するもの。SECの調査によると、これらのファンドの失敗は、ESGリサーチに関する文書化された方針を持たなかったこと、また、方針を確立した後もそれに従わなかったことが挙げられる。
今回の告発は、世界中の規制当局がグリーンウォッシュ対策への取り組みを強化していることを受けたもの。また、ドイツ銀行の投資部門であるDWSのCEOは、同社におけるグリーンウォッシングの疑惑に関する調査の一環として、警察が同社のフランクフルト事務所に踏み込んだ翌日に辞任している。
米国、英国、EUなどの主要市場の規制当局は、現在、ESGやサステナビリティをテーマにしたファンドの表示・開示ルールを導入している。
【参照ページ】
(原文)SEC Charges Goldman Sachs Asset Management for Failing to Follow its Policies and Procedures Involving ESG Investments
(日本語訳)SEC、ゴールドマン・サックス証券をESG投資方針に従わないとして起訴