CCC、現在の英国の環境政策では、ネット・ ゼロの目標を達成できないと警告

6月29日、英国政府の気候変動アドバイザーである気候変動委員会(CCC)は、主要な排出削減目標およびネット・ゼロの達成に関する同国の進捗状況を評価し、議会への年次進捗報告書を発表した。

CCCの評価は、ネット・ゼロを達成するために必要な変化に焦点を当てた、進捗状況を監視するための刷新されたフレームワークを活用し、経済全体における目標に対するリスクを評価するための詳細な進捗状況指標を設定している。

その結果、特に再生可能エネルギーの普及が進んでおり、発電による排出量は過去10年間で70%近く減少していることや、電気自動車の普及が進んでおり、すでに計画を上回っていることなど、いくつかの強みがあることが明らかになった。

しかし、報告書は、政府の政策がいくつかの重要な分野で不十分であると警告している。例えば、「より断熱性の高い住宅に対する政策に衝撃的なギャップがある」住宅エネルギー効率や、農業と土地利用は、政府の気候、食糧安全保障、生物多様性の目標達成に不可欠であるにもかかわらず、CCCが評価する最も弱い分野とされた。

全体として、CCCは、英国の現在の戦略ではネット・ゼロを実現できないとし、2030年の目標達成に必要な排出量削減の3分の1以上の計画は信頼できないと指摘した。

【参照ページ】
(原文)CCC’s 2022 Progress Report to Parliament
(日本語訳)CCC、現在の英国の環境政策では、ネット・ ゼロの目標を達成できないと警告監視団が警告

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る