5月31日、持続可能な航空燃料(SAF)のスタートアップであるCleanJouleは、よりコスト効率の高いSAFを製造するための技術開発を目的として、5,000万ドル(約69億円)を調達したと発表した。
今回の資金調達ラウンドには、フロンティア航空、Wizz Air、Volarisの3社の航空会社が参加した。今回の投資の一環として、航空会社は最大9,000万ガロンのSAFを購入する拘束力のある契約を結んでいる。
2009年に設立された CleanJouleは、農業残渣などのバイオマスからSAFや消費財・商業製品向けの再生可能なバイオポリマーを製造する独自のプロセスを開発した。同社によると、SAFは競合他社よりもエネルギー密度が最大10%高く、石油系ジェット燃料との混合を必要としないなど、有益な特性を備えている。
SAFは、現在、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の2~3%を占める航空産業の脱炭素化を支援する重要な手段のひとつと考えられている。SAFは一般的に、廃油や農業残渣などの持続可能な資源から製造され、現在の化石ベースのジェット燃料に比べ、排出量を大幅に削減することが可能である。
航空会社が気候変動対策の重要なソリューションの一つとしてSAFを採用し、各国政府が脱炭素化を目指すためにSAFの使用を義務付け始めたことで、今後数年間でSAFの需要は劇的に増加すると予想される。例えば、先月、欧州議会とEU理事会の議員たちは、EUの空港で使用する燃料に占めるSAFの割合を2050年までに70%まで引き上げることを義務付ける新しい規則について合意した。
今回の資金調達ラウンドは、プライベート・エクイティ企業Indigo Partnersの代表が主導し、航空会社のほか、GenZero、Cleanhill Partnersが参加した。