5月17日、世界的なプロフェッショナルサービス企業であるデロイトが発表した新しい調査によると、Z世代とミレニアル世代の40%以上が気候への懸念から仕事や分野を変えたことがあるか、将来的にそうする予定であることが明らかになった。気候変動と環境のサステナビリティは、企業が従業員を採用・維持する上でますます重要な要素になると考えられている。
デロイトは、本レポート「2023 Gen Z and Millennial Survey」において、44カ国で約23,000人のZ世代(1995~2004年生まれ)とミレニアル世代(1983~1994年生まれ)に調査を行った。さらに、経済的懸念、ワークライフバランス、メンタルヘルス、気候変動対策といったテーマで定性インタビューを実施している。
本調査では、気候や環境のサステナビリティに関する懸念に対する回答者の態度や行動、およびこれらの問題がビジネスに与える影響について、重要な分野の1つとして調査した。報告書によると、気候変動はZ世代とミレニアル世代にとって大きな関心事であり、回答者の約60%が過去1ヶ月間に環境について不安を感じたと回答し、70%以上が環境への影響を最小限に抑えるために積極的に努力していると回答している。
これらの懸念は、企業の採用・定着活動にも影響を与えると考えられる。回答者の約55%が、仕事を受ける前にブランドの環境への影響や方針を調べると回答し、40%以上が、気候への懸念からすでに転職した、または転職する予定であると回答している。
調査によると、気候に関連する要因は従業員の期待も高めており、Z世代の50%とミレニアル世代の46%が、気候変動への対策を企業に求めていると回答している。半数以上の回答者が、雇用主が気候変動への対応に取り組んでいることに同意している一方で、Z世代の53%、ミレニアル世代の48%が、COVIDなどの外部要因により、近年、会社でサステナビリティが優先されなくなったと回答している。これは、デロイトが最近発表した「2023 CxOサステナビリティレポート」におけるC-suiteエグゼクティブの回答では、75%が過去1年間に自社がサステナビリティ投資を増加させたと答えていることと対照的である。
雇用問題に加えて、本調査では、回答者の消費とライフスタイルに関連する態度も強調されている。例えば、約60%の回答者が、持続可能な製品やサービスに対してより多くの費用を支払うことを望んでいると回答しているが、半数以上が、経済状況の改善がなければ行動できないだろうと述べた。また、回答者の3分の2近くが、商品やサービスを購入する前に、企業の持続可能性に関する主張や認証を検討する、あるいは今後検討する予定であると答えている。
【参照ページ】
(原文)2023 Gen Z and Millennial Survey
(日本語訳)2023年 Z世代と ミレニアル世代調査