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2月6日、次世代原子炉および燃料技術の先進企業であるX-Energy Reactor Company, LLC(X-energy)は、7億ドルのシリーズC-1資金調達を完了したと発表した。この資金調達には、Amazonの「Climate Pledge Fund」をはじめ、Segra Capital ManagementやJane Street、Ares Management fund、Emerson Collectiveら投資家が参画している。また、シタデル創業者兼CEOのケン・グリフィンの関連企業やNGP、ミシガン大学も出資しており、X-energyの成長と技術開発を支援する強力な投資家ネットワークが形成された。
本資金調達により、X-energyは次世代小型モジュール炉(SMR)の「Xe-100」の設計および認可手続きを進めるとともに、テネシー州オークリッジに建設中のTRISO-X燃料製造施設の第一段階を完成させる予定である。また、調達資金は将来的なゼロ・カーボンプロジェクトにも活用され、同社のXe-100 SMR技術の展開を加速する。Xe-100は、1基あたり80メガワット(MW)の発電能力を持ち、複数基を組み合わせることで320MWから最大960MWまでの電力供給が可能なモジュール式原子炉である。この設計により、輸送性の向上、建設期間の短縮、コスト管理の容易化が実現される。
X-energyは、米国エネルギー省(DOE)の「先進原子炉実証プログラム(Advanced Reactor Demonstration Program)」の支援を受け、米国テキサス州ガルフコーストのDowのUCCシードリフト製造拠点で初のXe-100プラントを開発中である。このプロジェクトは、北米で初めて産業用サイト向けに展開されるグリッド規模の先進原子炉となり、ゼロカーボン電力と高温蒸気を提供することを目指している。
AmazonとX-energyは、2039年までに米国内で5ギガワット(GW)超の新規電力プロジェクトを立ち上げる計画を進めている。この取り組みでは、プロジェクト開発・認可・建設のための直接投資に加え、長期電力購入契約(PPA)を活用してAmazonの事業運営を支える。また、両社はインフラ・電力事業者と連携し、プロジェクト展開と資金調達の標準化を推進する方針を示しており、次世代原子力発電の拡大に向けた新たな市場モデルの構築を目指している。
【参照ページ】
(原文)X-energy Closes Upsized $700 Million Series C-1 Financing Round to Accelerate the Development of Advanced Small Modular Nuclear Technology
(日本語参考訳)X-energy、先進的な小型モジュール原子力技術の開発を加速するため、7億ドルの増額シリーズC-1資金調達ラウンドを完了