オーストラリア、労働者・産業界・投資家のための気候移行を管理する「Net Zero Authority」発足へ

5月5日、オーストラリア政府は、エネルギー転換に向けた労働者の再教育や、転換の機会に関する産業界や投資家との調整など、ネット・ゼロ・エミッションへの経済転換を導く役割を担う「Net Zero Authority」の設立を法制化する計画を発表した。

米国、EU、カナダが最近発表した大規模なエネルギー転換投資計画により、世界の主要経済国が、よりクリーンなエネルギーシステムや産業への世界的な移行に参加する機会を得るために準備を進めている。新機関の設立は、アルバネーゼ政権が昨年、温室効果ガス排出量を2030年までに2005年比で43%削減し、2050年までにネット・ゼロを達成するという目標を法律に定めたことを受けて実現された。

「Net Zero Authority」の主要な焦点のひとつは、特に排出量の多いセクターの労働者が新しいスキルや雇用にアクセスできるように支援することだ。

同局はまた、投資家や企業がネット・ゼロ変換の機会に取り組むことを支援し、政府全体のプログラムや政策と連携して、地域やコミュニティが新しいクリーンエネルギー産業を誘致することを支援する責任を負う。

政府は、本機関設立の法制化に取り組むとしながらも、本機関の取り組みをスタートさせるため、首相・内閣府に中間機関の設置を提言し、「Net Zero Authority」の最終設計に関するアドバイスや関係者との協議も展開するとしている。

【参照ページ】
(原文)NATIONAL NET ZERO AUTHORITY
(日本語訳)オーストラリア、労働者・産業界・投資家のための気候移行を管理する「Net Zero Authority」発足へ

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る