4月26日、P&Gと世界自然保護基金(WWF)は、洗濯物を低温で洗うというエコ習慣を広く普及させるための継続的な共同作業の一環として、新しい共同研究プロジェクトを開始すると発表した。洗濯に関する本共同研究から得られた知見は、消費者と協力して環境に良い影響を与えようとするすべてのブランドが応用できると述べている。
今回、行動科学コンサルタント会社であるBehavioral Insights Team(BIT)が、P&Gの主力洗剤ブランドTideの消費者テストやWWFの気候変動への影響に関するベストプラクティスなど、持続可能な習慣に関する既存の公開研究やケーススタディについてレビューした。
同プロジェクトで得られた知見は、以下のような行動フレームワークやシステム思考の適用の重要性を明らかにした。
- 物理的または心理的に行動する能力、合図や社会的受容の感情によって行動する機会、内発的価値観との一致や外発的報酬の提供によって行動する動機付けを作り出すことによって、新しい消費習慣を実現する。
- 簡単(最小限の努力で済む)、魅力的(価値あるインセンティブを提供)、社会的(グループの一員であると感じさせる)、タイムリー(関連する瞬間を利用し、利益のタイムラインを明確に提示)を理想的に組み合わせた介入策を導入する。
本プロジェクトを通じて、Tideは、洗濯物を低温で洗う習慣を広めるための「エコシステム」を開発した。洗濯機のデフォルト設定として冷水を推奨すること、洗濯の時点でディスラプションを導入すること、継続的なブランドマーケティングやコミュニケーションキャンペーンを通じて低温洗濯を社会的な常識とすることを支援するなど、イネイブラーの増加と障壁の軽減に焦点を当てている。
同社によると、低温洗濯により、洗濯サイクルのエネルギーを最大90%節約でき、年間最大150ドル(約2万円)の節約になる。同社は、アメリカ人が洗濯物の大半(4回に3回)を冷水で洗うようになった10年間で、ニューヨーク市とサンフランシスコの全都市の電力を1年以上節約できると試算している。これは、2700万メートルトン(MT)の温室効果ガス排出量に相当し、P&Gの全世界の年間事業量の10倍近くに相当する。
Tideは、20年以上にわたり、低温での洗濯に特化した酵素などの画期的なイノベーションにより、低温洗濯への切り替えをリードしてきた。2030年までにTideの製造工場におけるGHG排出量を半減させるという目標を含む、洗濯の脱炭素化に向けたタイドの継続的な取り組みの一環として、広範なサステナビリティへのコミットメントをまとめた「Tideの2030アンビション」の発表により、冷水洗浄の普及に向けた取り組みが推進されている。
【参照ページ】
(原文)New Research from Tide and WWF Helps Unlock the Secrets to Sustainable Behavior Change
(日本語参考訳)P&GとWWFの新しい研究が、持続可能な行動変容の秘密を解き明かすのに役立つ