4月25日、HVAC、冷凍および持続可能なビルディングソリューション企業であるCarrierは、ヒートポンプおよびエネルギー移行に焦点を当てたヒーティングソリューションメーカーのViessmann Climate Solutionsを120億ユーロ(約1.6兆円)で買収することを含め、同社を純粋な気候およびエネルギーソリューションリーダーと位置づけることを目的とした一連の動きを発表した。
Carrierは、ファイヤー&セキュリティ事業と業務用冷凍キャビネット事業の分離を計画しているが、この動きにより、同社は「インテリジェントな気候・エネルギーソリューションにおける純粋なグローバルリーダー」として位置付けられると述べている。
Carrierの会長兼CEOであるDavid Gitlinは、本買収を「ゲームチェンジの機会」と表現し、「気候変動、サステナビリティの要件、地政学的要因が、ヨーロッパで前例のないエネルギー転換を促している」ことを背景に、本買収が行われると述べている。
Viessmann Climate Solutionsは、株式非公開企業であるViessmann groupの最大部門である。同部門の事業の約70%は、炉やエアコンに代わるエネルギー効率と気候に優しい重要なソリューションとして急速に普及しているヒートポンプ、および関連アクセサリー、太陽光発電、バッテリー、サービスから構成されている。
昨年、Viessmanは、特にヒートポンプに焦点を当て、3年間でグリーン気候ソリューションのための製造拠点と研究開発ラボを拡大するために10億ユーロ(約1,342億円)を投資する計画を発表した。
今回の買収と分社化計画は、Carrierにとって気候に焦点を当てた一連の動きの中で最新のものとなる。2020年、ユナイテッド・テクノロジーズ・コーポレーションからの分離に伴い、Carrierは、2030年までに顧客が1ギガトン以上の温室効果ガス排出を回避するのを支援するという目標を発表した。今年に入ってからは、2050年までにバリューチェーン全体でネット・ゼロ・エミッションを達成するという新たな持続可能性目標を追加し、直接的な運用だけでなく間接的な排出も含めて、その目標を達成した。