5月25日、MSCグループのクルーズ部門であるMSCクルーズは、新旗艦「MSCユーリビア」で、バイオ液化天然ガス(LNG)を燃料とする史上初のネット・ゼロ・クルーズを実施する計画を発表した。
同社は、ネット・ゼロ・クルーズの実現が可能であることを証明することを目的としている。同船は6月3日に出発し、フランスとデンマークの間を4日間航行する予定である。
MSCクルーズは、本航海のために400トンのバイオLNGを購入し、ライフサイクルでの排出量を大幅に削減できるバイオLNGを使用する初の深海海洋クルーズ事業者となったと述べている。
バイオガスは、様々な種類の有機廃棄物から生成され、地元の原料のみから供給される再生可能で環境に優しい燃料である。バイオガスは、化石燃料である天然ガスと化学的に同じでありながら、ライフサイクルでの温室効果ガス(GHG)排出量を大幅に削減できるため、既存の送配電インフラを交換することなく、道路交通や重工業など脱炭素化が難しい分野の脱炭素化をサポートすることが可能。
本ネット・ゼロ航海では、最適な環境効率を実現するため、マスバランス方式でバイオLNGを使用する予定である。また、サプライチェーン全体が欧州連合の再生可能エネルギー指令(RED II)に準拠し、すべてのバイオLNGのバッチが持続可能であることを証明するものである。
【参照ページ】
(原文)THE CRUISE DIVISION OF MSC GROUP’S NEW FLAGSHIP – MSC EURIBIA – TO SAIL WORLD-FIRST NET ZERO GREENHOUSE GAS EMISSIONS CRUISE
(日本語訳)MSC、史上初のネット・ゼロ・クルーズを実施