サステナブル鉄鋼スタートアップHybar、1,000億円超を調達

8月2日、 スタートアップのHybarは、7億ドル(約1,000億円)の負債と株式による資金調達を行ったと発表した。調達資金は、環境的に持続可能かつ技術的に先進的な金属スクラップ・リサイクル鉄筋工場の建設・運営に充てられ、同社は北米で最も温室効果ガス(GHG)排出量の少ない鉄鋼メーカーとなる見込みである。

世界的な製造業者がサプライチェーンの脱炭素化を目指す中、低炭素鋼の需要は今後数年間で大幅に増加すると予想される。製鉄は、世界的に最もCO2を排出するセクターのひとつであり、GHG総排出量は、世界の化石燃料使用による直接排出量の7~9%を占める。

Hybarの技術は、鉄筋の生産に必要なエネルギー量を大幅に削減するよう設計されている。同社がアーカンソー州北東部に建設予定の工場は、隣接する太陽光発電施設に直接接続される予定。これにより同社は、一定期間、100%再生可能な電力で工場を稼働させることができる。同工場の建設には22ヵ月を要する見込みで、年間63万トンの鉄筋を生産する予定。同製鉄所の技術は、金属産業プラント建設・機械エンジニアリング会社のSMSグループが供給する。

同社はまた、国際的なパリ協定のGHG排出目標を遵守していることを証明する「Climate Bonds」の発行認定を受けた世界初の鉄鋼会社になったと述べた。

本資金調達の株式部分は、TPGのグローバル・インパクト投資プラットフォームであるTPG Riseの70億ドル(約1兆円)の気候変動投資戦略TPG Rise Climateと、ハイバーの上級経営陣が利用する投資事業体であるGlobal Principal Partnersが主導した。

調達資金のうち、4億7,000万ドル(約670億円)は製粉所の建設に使用され、残りは製粉所の立ち上げと操業、建設中の債務返済に充てられる。

【参照ページ】
Hybar Raises Financing to Build Scrap Metal Recycling Steel Rebar Mill

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-1-17

    ESGフロントライン:潮流を読む~NZBA脱退が加速、日本への影響と今後の対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025年の注目トレンド予測:サプライチェーンと保証制度が企業戦略の中心に

    2025-1-15

    2025年の注目トレンド予測:サプライチェーンと保証制度が企業戦略の中心に

    2025年は企業にとって「サステナビリティへの対応」の本番時期を迎える。EUのCSRD、国内ではS…
  3. 2025-1-10

    英ASA、ロイズ銀行の誤解を招く持続可能性広告を違反認定

    12月18日、英国広告基準局(ASA)は、ロイズ銀行の持続可能性をテーマにした広告4件について調査…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る