GeoPura、約60億円を調達 GMと Barclaysが支援

 

2月21日、グリーン水素発電のプロバイダーであるGeoPuraは、General Motorsの投資部門であるGM Venturesが主導し、Barclays Sustainable Impact Capitalが共同主導する投資ラウンドで、3600万ポンド(約58億円)を調達したことを発表した。本投資により、GeoPuraは、化石燃料に代わるグリーン水素発電を様々な分野で提供する事業を拡大することができる。本ラウンドに参加する追加投資家には、SWEN CPとSiemens Energy Venturesが含まれる。

2019年に設立されたGeoPuraは、仮設サイトでの電力、長期バックアップ、オフグリッド電力、既存のグリッドを補強するエネルギー供給を必要とするユーザーにクリーンエネルギーを供給している。同社は、産業用水素燃料電池をベースにシーメンス・エナジーと共同開発した水素パワーユニット(HPU)を提供している。

水素は、クリーンなエネルギーへの移行において重要な構成要素のひとつと考えられている。特に、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる解決策が現実的ではない、排出量の削減が困難な分野では、水素が必要とされている。

しかし、宇宙で最も豊富な元素であるにもかかわらず、地球上に純粋な水素の鉱床はなく、他の物質から水素を抽出する必要がある。年間約9,000万トンの水素が生産されており、主に天然ガスから水蒸気メタン改質により取り出している。この抽出プロセスでは、しばしば汚染物質やGHGが排出される。再生可能エネルギーを利用した電気分解プロセスで水から水素を抽出するグリーン水素のようなクリーンな抽出プロセスを開発するためには、多大な投資が必要である。

GeoPuraは、当初、建設、インフラ、屋外イベント、バックアップ電源など、ディーゼルの使用が最も多い分野をターゲットにしており、また、地域の電力ネットワークが利用できない商用EV充電用のソリューションも提供すると述べている。同社の水素発電の顧客には、Balfour Beatty、HS2、National Grid、BBCなどがある。

同社によると、本投資によりSiemens Energyと共同でHPUを量産し、燃料となるグリーン水素の生産量を増やすことで、本技術の世界展開をサポートすることが可能になるという。また、同社は、小型および大型の電力要件に対応する新製品の市場投入も目指している。

【参照ページ】
(原文)Giants of industry, manufacturing and finance back UK green hydrogen pioneer GeoPura with £36m investment
(日本語参考訳)GeoPura、4400万ドルを調達 GMと Barclaysが支援

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る