2月15日、英国の銀行Barclaysは、オイルサンド企業およびプロジェクトへの融資を終了し、OECD諸国の顧客に対する石炭火力発電への融資を段階的に停止するなど、一部の排出集約型エネルギー分野への融資活動を大幅に制限する新しい方針を発表した。
2022年のESG投資家向けプレゼンテーションの一環として発表された本方針は、融資による排出量を削減するためのBarclaysの取り組みの一環をなすもの。同行はこれまで、世界の気温上昇を1.5℃に抑えるというパリ協定のスケジュールと目標に合致した融資を行うことを約束してきた。
Barclaysは、更新された方針の下、2023年7月時点で、オイルサンドの探査、生産、加工資産、または新しいオイルサンドの探査、生産、加工資産の建設から10%以上の収入を得る企業に対して融資を行わないとしている。また、オイルサンドから採掘された原油の輸送を主目的とするパイプラインの建設にも融資を行わない。
石炭に関してBarclaysは、EUと英国では2030年までに、それ以外の地域では2035年までに、石炭火力発電を行う顧客に対する融資を段階的に停止することを約束していた。新しい方針では、米国を含むすべてのOECD加盟国の顧客が2030年の目標に含まれることになる。
持続可能性重視の団体は、同行の新しい方針を歓迎する一方で、同行がより積極的な化石燃料融資方針を発表しなかったことに失望感を表明し、Barclaysのコミットメントは欧州の同業他社に及ばないと指摘している。
【参照ページ】
(参考記事)Barclays tightens lending for dirtiest fossil fuels
(日本語参考訳)Barclays、オイルサンド関連企業への融資を終了