インド初のグリーンボンド、堅調な需要で「Greenium」を獲得

インド初のグリーンボンドが堅調な需要で「Greenium」を獲得

1月24日、インド準備銀行(RBI)が発表した結果によると、インド政府による初のグリーンボンド発行は強い需要に支えられ、募集額の4倍以上の注文があり、グリーンボンドは5-6ベーシスポイントの「Greenium」、すなわちグリーンな証明力を持たない類似銘柄と比較して有利な利回りスプレッドを獲得している。

最初の発行は、5年債と10年債で800億ルピー(約1,277億円)を調達し、経済の炭素集約度を下げることを目的としたグリーンインフラプロジェクトを支援するために約20億米ドル(約2,605億円)を調達する2部構成の発行の一部を成している。800億ルピー(約1,277億円)の第2弾は2月上旬に予定されている。

【関連記事】インド、今月中に2,600億円超のグリーンボンドを発行

RBIが発表した入札結果によると、今回の募集では40億ドル(約5,210億円)強の入札があり、グリーンボンドは5年物が7.10%、10年物が7.29%で発行され、同じ年限の国債の利回りがそれぞれ7.16%、7.35%であるのに対し、相対的に高い利回りとなった。

報道によると、今回の募集は国内からの需要が大半を占め、海外からの需要は限定的であったという。

インドのグリーンボンド市場への参入は、2021年のCOP26気候変動会議で2070年までにネット・ゼロを達成することを公約するなど、政府が近年一連の気候関連目標を導入したことを受けたものである。2022年8月には、排出強度を45%削減し、非化石資源による電力を約50%に移行することを約束するなど、NDC(国家決定貢献)の強化で追随している。

インドの目標には、2030年までに非化石エネルギー容量を500GWに到達させ、炭素排出量を10億トン削減することが含まれている。今月初めには、インドをグリーン水素の主要生産拠点とする戦略「National Green Hydrogen Mission」が閣議決定され、500万トンの生産量を達成する計画で、関連インフラや生産に対する20億ドル(約2,605億円)以上のインセンティブも付与された。

11月には、政府はソブリン・グリーンボンドの枠組みを発表し、グリーンボンド発行による収益の適格な使用、プロジェクトの選定と評価、収益の管理、報告義務について概説した。本枠組みでは、再生可能エネルギー、エネルギー効率、クリーンな輸送、気候変動への適応、持続可能な水・廃棄物管理、汚染防止・管理、グリーンビルディング、生物多様性保全など、幅広いグリーンプロジェクトカテゴリーを対象としている。

さらに、化石燃料の採掘に関わるプロジェクトなど、除外されるプロジェクトも列挙されている。除外プロジェクトには、原子力発電や25MWを超える水力発電所も含まれる。

【参照ページ】
(原文)Underwriting Auction for sale of Government of India Sovereign Green Bonds for ₹8,000 crore on January 25, 2023
(日本語参考訳)2023年1月25日、インド政府ソブリン・グリーンボンドを₹8,000croreで販売するための引受オークションについて

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