1月18日、ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会で、スマートフレイトセンターと持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)は、物流排出量の定量化と共有を進め、ネット・ゼロ排出を目指す物流業界を支援するための新しいガイダンス「End-to-End GHG Reporting of Logistics Operations」を発表した。
WBCSDが支援し、McKinsey Sustainabilityがナレッジパートナーとして、30以上の主要なグローバル組織と連携した本コンソーシアムは、実行可能で実施可能なガイダンスを立ち上げることによって、ネット・ゼロ物流を達成するための次のステップを踏み出そうとしている。参加企業から提出された物流排出量の定量化に関するさまざまな使用事例と関連するビジネス上の課題は、物流業務のさまざまな側面に取り組む際の重要な参考資料となった。
本ガイダンスの目的は、企業が物流排出量を業務レベルでより良く理解・追跡できるようにすることであり、一次データの計算に重点を置き、サプライヤーから最終顧客までの物流排出量の足跡を定量化することを目指すものである。特に、海上、道路、列車、航空輸送を含む複合輸送の物流ソリューションに焦点を当てた。本ガイダンスは、企業の脱炭素戦略の実施を支援するために、データ要件、データ品質指標の導入、関連する保証要件を定めている。
また、既存の2つのフレームワークを基に補完している。一つは、スマートフレイトセンターのGlobal Logistics Emissions Council (GLEC) Framework 2.0で、物流排出量の算定と報告のための世界的に認められた方法論です。もう一つは、WBCSDのパスファインダーフレームワークで、製品のライフサイクル排出量の算定と交換のためのガイダンスである。
本ガイダンスは、物流排出量の報告で直面する主要な課題に対する解決策を提供している。すなわち、顧客の要求するレベルとネットワーク運用からの報告、様々な粒度のスコープ3データの組み合わせと比較、そして最後に、信頼と自信を高めるための推奨保証過程である。また、排出量データセットと業界で展開可能な排出量データの交換を強化することにより、炭素の可視性をさらに高めるための足がかりとなるものである。