1月13日、英ビジネス・エネルギー・産業戦略省は、2021年10月に英政府が発表した「ネット・ゼロ戦略」に対するレビュー報告書を発表した。議会議員のChris Skidmoreは、政府のネット・ゼロ戦略がいかに正しい方向性と正しい政策を提供しているかを強調し、「歴史的な機会」を把握するよう大臣に要請している。
Chris Skidmoreのネット・ゼロ・レビュー「ミッション・ゼロ」は、ビジネスが果たすべき役割の拡大、インフラの有効活用、よりエネルギー効率の高い住宅の提供などを含む129の提言を行なっている。これらはすべて、2050年までに炭素排出量をゼロにするという法的拘束力のある目標を達成しながら、経済投資、機会、雇用を最大化するために考案されたものである。
Chris Skidmoreは提言について、歴史的な機会を最大限に活用するためのもので、経済の縦横をカバーし、国のあらゆる地域の人々が恩恵を受けることができるようにするものであると述べている。
Chris Skidmoreの提言は以下の通りである。
- ビジネス支援 – 税制を含む脱炭素化への投資インセンティブの見直し、中小企業が事前計画を立てられるような情報やアドバイスを提供する「Help to Grow Green」キャンペーンの立ち上げなどを含む。
- 地域活動の支援 – 全国および地域でネット・ゼロを中心に据えた計画システムの改革、2030年までにネット・ゼロを達成するために活動できるトレイルブレイザー・ネット・ゼロ都市、地方自治体、コミュニティの少なくとも1つを支援することなどを含む。
- エネルギー効率の高い住宅の提供 – 2025年以降、ガスボイラーを備えた新築住宅を建設しないようFuture Homes Standardを法制化し、英国でヒートポンプを普及させる10年間のミッションを採択することを含む。
- インフラを利用したネット・ゼロ実現 – 2025年までにセクター横断的なインフラ戦略を策定し、グリーン経済を支える水素などの新しいグリーンエネルギー源の建設と適応を支援することを含む。
公式統計によると、英国全土の低炭素ビジネスとそのサプライチェーンにはすでに約40万人の雇用があり、2020年の売上高は412億ポンド(約6兆4,810億円)と推定されている。 英国エネルギー安全保障戦略とネット・ゼロ戦略は、いずれも2030年までに、前例のない1000億ポンド(約15兆7,306億円)の追加民間投資を活用し、さらに48万人の英国人雇用を支援することを目標としている。
【参照ページ】
Net Zero Review: UK could do more to reap economic benefits of green growth