97%のトップエグゼクティブ、気候変動が企業の戦略・経営に影響を及ぼすと予想

97%のトップエグゼクティブが気候変動が企業の戦略・経営に影響を及ぼすと予想

1月16日、世界的な専門サービス企業であるデロイトが発表した新しい調査によると、世界中の大企業のほぼすべての上級管理職は、気候変動が今後3年間で組織の戦略や運営に影響を与えると予想していることが明らかになった。すでに事業に影響を与えている主要課題として資源不足、消費パターンの変化、炭素税が挙げられている。

本調査では、「2023年CxOサステナビリティレポート」を作成した。デロイトと市場調査会社のKS&Rは、24カ国の2,000人以上のCレベルの経営者を対象に、売上高5億ドルから100億ドル以上までの幅広い業種と企業規模で調査を実施した。

本調査では、企業が地政学的・経済的な大きな混乱に直面しているにもかかわらず、気候変動が上級管理職の最優先事項として浮上していることが示された。気候変動は、今後1年間に注力すべき喫緊の課題トップ3において、経済見通し(44%)に次いで42%で第2位となり、サプライチェーン(33%)や人材獲得競争(34%)といった他の注目すべき課題を上回った。

調査対象となったほぼすべてのエグゼクティブが、過去1年間に気候問題が自社に影響を与えたと述べており、46%が資源不足や資源コストを、45%が顧客の消費パターンや嗜好の変化を、43%が炭素税や排出上限などの排出規制を挙げている。

気候変動が企業の優先事項のリストに上るにつれて、これらの問題に対処するための資源配分が増加しており、経営幹部の4分の3は、過去1年間に組織がサステナビリティ投資を増やしたことを示し、そのうち19%は20%以上増加したと報告している。

サステナビリティに焦点を当てた主な活動としては、リサイクル素材や低排出ガス製品など、より持続可能な素材の使用(59%)、エネルギー利用の効率化(59%)、気候変動に配慮した新しい製品やサービスの開発(49%)などが報告されている。また、従業員の参加も重要な取り組みとなっており、50%が気候変動に関する行動や影響について従業員を教育していると報告した。

こうした取り組みにもかかわらず、デロイトは、いくつかの重要なアクションがまだ多くの企業で追求されていないことを指摘している。サプライヤーやビジネスパートナーに持続可能性の基準を満たすよう求めている組織はわずか44%、シニアリーダーの報酬と環境の持続可能性のパフォーマンスを結びつけている組織はわずか3分の1である。

本調査によると、経営陣は幅広いステークホルダーから気候変動に対する行動を迫られており、3分の2以上がこの問題に関して、取締役や経営陣(68%)、規制当局や政府(68%)、消費者(68%)から圧力を感じていると報告しており、投資家(66%)や従業員(65%)からも同様に圧力を感じていると多くの人が報告している。

デロイトによると、従業員の影響力はますます大きくなっており、調査対象の経営幹部の半数以上が、従業員の活動によって、過去1年間に組織でサステナビリティへの取り組みが増加したと報告している。

本調査では、組織がサステナビリティへの取り組みを推進する上で直面する主な障害についても調査しており、「環境への影響を測定するのが難しい」が24%、「コストがかかりすぎる」が19%、「投資家から目先のビジネス課題に集中するよう求められている」が18%と続く。しかし、これらの障害はこの1年間で緩和されたようで、昨年の調査では、これらの問題をそれぞれ障害として報告する回答者が増えている。2022年の調査では、30%が影響測定の難しさを、27%がコストを、25%が目先の事業への集中の圧力を障害として報告している。

【参照ページ】
(原文)New Deloitte research reveals majority of organizations increased sustainability investments over past year amid global uncertainty
(日本語参考訳)97%のトップエグゼクティブ、気候変動が企業の戦略・経営に影響を及ぼすと予想

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