CDP、2023年度の環境情報開示Aリスト企業を公表

CDP、2023年度の環境情報開示Aリスト企業を公表


2月6日、国際NGOのCDPは、2023年度のAリスト入り企業を発表した。CDPの評価対象は、「気候変動」「ウォーター(水)」「フォレスト(森林)」の3分野であり、今年は特に気候変動分野において増加傾向が見られた。

CDPによると気候変動分野では、346社がAスコアを獲得した。昨年よりも63社多い数字だ。3つの分野すべてでAリスト入りした企業は10社で、昨年よりも2社減少した。

CDPは、機関投資家によって設立されたNGOであり、約740の機関投資家がそれぞれのプログラムに署名し、活動を支援している。日本では、東証プライム市場上場企業を含む約2,000社がCDPの調査に回答した。

CDPによると、2023年には、世界の株式市場の時価総額の約3分の2を占める約23,000の企業がCDPを通じて情報を開示した。一方で、時価総額26.6兆ドル(約3,995兆円)相当の上場企業を含む38,000以上の企業が、金融機関や顧客からの開示要請に応じなかったり、回答に十分な情報を提供しなかったとして、Fスコアを付けられた。

Aリスト入りした日本企業は以下の通り。

気候変動

  • 世界全体: 346社
  • 日本企業(赤字で表示されている企業): 109社

ウォーター

  • 世界全体: 101社
  • 日本企業(赤字で表示されている企業): 36社

フォレスト

  • 世界全体: 30社
  • 日本企業(赤字で表示されている企業): 7社

日本企業の中で、花王、積水ハウス、中外製薬、コカ・コーラ・ボトラーズ・ジャパン・ホールディングス、大和ハウス工業、デンソー、日本たばこ産業、小松製作所、コーセー、クボタ、明治ホールディングス、三菱電機、三菱地所、日本電気(NEC)、小野薬品工業、リコー、セイコーエプソン、積水化学工業、塩野義製薬、サントリーホールディングス、トヨタ紡織、横河電機の企業は、気候変動とウォーターの両方でAリスト入りを果たした。

また、豊田通商、資生堂は、気候変動とフォレストの両方でAリスト入りを果たした。日清オイリオグループ、ユニ・チャームが、ウォーターとフォレストの両方でAリスト入りを果たした。

以上の結果から、「気候変動」「ウォーター」「フォレスト」全てでAリスト入りしたのは、バイヤスドルフ、ダノン、花王、ケリング、クラビン、Lenzing、ロレアル、Mayr-Melnhof Karton Aktiengesellschaft、フィリップ・モリス・インターナショナル、積水ハウスの計10社である

【参照ページ】
(原文)Rising disclosure numbers show more companies considering climate and nature impacts, but just under 400 reporting data aligned with CDP’s highest benchmark

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