蘭Masdar、グリーン水素サプライチェーンを欧州に導入

UAE、オランダのマスダール社が計画するグリーン水素サプライチェーンを欧州に導入

1月13日、UAEに拠点を置く再生可能エネルギーに特化した開発企業Masdarは、アブダビからアムステルダムまでのグリーン水素サプライチェーンの開発を検討することを発表した。Masdarはアムステルダム港の運営企業、持続可能な航空燃料(SAF)プロバイダーのSkyNRG、混合・貯蔵ターミナル運営企業のEvos AmsterdamとZenith Energyなどのオランダ企業と合意書に調印した。

水素は、クリーンなエネルギーへの移行において重要な構成要素のひとつと考えられており、特に風力や太陽光などの再生可能エネルギーが現実的でない、排出量の削減が困難なセクターで利用されている。

年間約9,000万トンの水素が製造されているが、そのほとんどは化石燃料を使用して抽出されており、汚染物質や温室効果ガスの排出を引き起こしている。再生可能エネルギーを動力源として他の物質から水素を抽出するグリーン水素のようなクリーンな水素供給能力の開発には、インフラ、電解、輸送などの分野で大規模な投資が必要となる。

今回の合意では、アブダビでグリーン水素を製造し、アムステルダム港を通じてオランダに輸出することに焦点を当て、SAF、製鉄、船舶用燃料補給などの分野と、パイプライン、トラックを経由してヨーロッパの新しいオフテーカーに供給することを目指して努力することが確認されている。また、液体有機水素キャリアと液体水素を中心に、いくつかの水素輸送方法についても検討する予定である。

本合意は、Masdarが12月にグリーン水素事業部門を立ち上げたことに続くものである。同社は、2030年までに年間100万トンのグリーン水素の製造と、100GWの再生可能エネルギー容量を達成することを目標としている。

【参照ページ】
(原文)Masdar Signs Agreement to Explore Exporting Green Hydrogen from Abu Dhabi to Europe
(日本語参考訳)Masdar、アブダビから欧州へのグリーン水素の輸出を検討する契約に調印

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る