Sustainable Apparel Coalition、アパレル業界全体でSBTの導入と排出量削減を推進する「脱炭素化プログラム」を開始

12月8日、アパレル業界の国際サステナビリティ団体Sustainable Apparel Coalition(SAC)は、新しい「脱炭素化プログラム」を開始した。本プログラムは、アパレル業界が1.5℃目標を達成するために必要な、2030年までの45%の絶対量削減を目指す。

本プログラムは、アパレル・フットウェア業界の約半数を占めるSACの会員企業および業界全体に対して、協力的なアプローチで行動を促すものである。脱炭素化プログラムの一環として、SACの企業メンバーは2023年から科学的根拠に基づく目標(SBT)をコミットし、設定することが要求される。

また、世界資源研究所(WRI)とアパレル影響研究所(AII)の調査と、SACの一連のツールであるHigg IndexとTextile Exchangeのデータを用い、業界との協議により、メンバーが共同で変化を促進し持続可能な影響を生み出すことができる、最もインパクトのある6分野が特定された。

  • 材料効率の最大化:デザイン、材料の使用、製造方法を通じて、廃棄される繊維や材料の量を削減する
  • 持続可能な素材と手法の拡大:より持続可能な素材と手法の使用を拡大する
  • 革新的な素材の開発を加速:繊維のリサイクルやバイオベース素材など、次世代素材への投資を拡大する
  • エネルギー効率の向上:すべての製造施設においてエネルギー効率を優先させる
  • 製造現場からの石炭撲滅:すべての製造現場において石炭を再生可能エネルギーに置き換える
  • 再生可能エネルギー100%へのシフト:再生可能エネルギーソリューションの展開

さらに、SACはベストプラクティス共有のためのウェビナーやピアツーピアの学習セッションを複数回実施し、今後数ヶ月のうちに段階的なSBTガイダンスを発行する予定である。今後は、SBT採用の進捗状況の追跡・報告、再生可能エネルギーオプションの採用促進、石炭代替、エネルギー効率化プロジェクトの普及などのスケーリングソリューションによるGHG排出量削減の追跡・報告などの開発を進めていく。

【参照ページ】
(原文)The Sustainable Apparel Coalition launches Decarbonization Program to drive SBT adoption and reduction in emissions across the fashion industry
(日本語参考訳)Sustainable Apparel Coalition、アパレル業界全体でSBTの導入と排出量削減を推進する「脱炭素化プログラム」を開始

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-10-3

    お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    ESG Journalでは、実務に役立つ資料やツールを無料で公開しています。今回は、大好評の「開示…
  2. 2024-9-26

    デロイトが2024年CxOレポート発表:気候変動が最重要課題に

    9月11日、ニューヨーク—デロイトが発表した「2024年CxOサステナビリティレポート: ビジネス…
  3. 2024-9-25

    SAP、ESG報告の新たな統合ソリューションを発表

    9月11日、テクノロジー企業であるトムソン・ロイターズ(TSX/NYSE: TRI)は、SAPとの…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る