12月8日、英国ロンドンを拠点とする非営利の金融シンクタンクPlanet Trackerは、水産物のサプライチェーン企業をリストアップする新しいデータベースを立ち上げた。本データベースでは、上場企業の乱獲や違法漁業、持続可能性リスクへのエクスポージャーを比較することができる。
Planet Trackerは、本データベースが投資家や貸し手にとってより良い透明性を提供し、エクスポージャー指標に基づく企業への投資のリスクと機会をより正確に評価することを可能にすると述べている。
透明性の欠如は、水産物の大手企業上位100社のリストで見ることができる。Planet Trackerの最新レポートによると、現在、これらの企業のうち8%が、魚種ごとの正確な水産物の投資内容を開示している。
本データベースには、1兆8000億米ドル(約239兆円)の水産物サプライチェーンから、2億米ドル(約265億円)から150億米ドル(約1.9兆円)の売上を持つ100の企業が含まれている。本データベースには、乱獲、違法漁業、その他の海洋持続性リスクに対する企業のエクスポージャーをランキングするための50の指標が含まれている。また、ユーザーが企業の財務的健全性と環境の持続可能性をランク付けし、比較する機会も含まれる。
加えて、136の国レベルの指標を含むすべての国または事業地域のデータと、750種の水産物が含まれており、企業が何を捕獲、養殖、加工、または小売しているかを確認することができる。
Planet Trackerは今後数カ月でさらに多くの企業をデータベースに追加する予定で、漁業や養殖などの上流活動だけでなく、プロセスを含む中流、卸売や小売を含む下流活動も含めることができる。将来的には、魚のワクチン接種、漁船用エンジンの製造、水産加工機械の製造など、補助的な活動も含めることが可能である。
透明性を高めるという使命を支えるため、Planet Trackerは金融機関に対し、水産物露出企業に対し、養殖の正確な場所、捕獲、使用した漁具、養殖方法などの投資対象種の学名開示を求めるよう呼びかけている。
【参照ページ】
(原文)PLANET TRACKER PROVIDES GREATER TRANSPARENCY INTO THE SEAFOOD INDUSTRY WITH THE LAUNCH OF ITS NEW DATABASE
(日本語参考訳)Planet Tracker、水産物のサプライチェーンデータベースの立ち上げを発表