12月9日、国際エネルギー機関(IEA)は、クリーンエネルギーを支援するための世界の政府支出が、2022年3月以降に5,000億米ドル(約66.3兆円)以上も増加したとの分析報告書を発行した。
ウクライナ戦争に端を発した世界的なエネルギー危機が、風力や太陽光などの自然エネルギーの成長を加速させており、世界は今後5年間で過去20年間と同量の自然エネルギーを追加する予定であると、国際エネルギー機関(IEA)は発表している。
パリに本部を置く国際エネルギー機関(IEA)の最新予測によると、太陽光発電に代表される自然エネルギーは、2025年初頭までに世界最大の発電源として石炭を追い抜く勢いであり、地球温暖化を摂氏1.5度(華氏2.7)に抑制するという世界目標の維持に貢献することが予想されている。
「ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー安全保障への懸念は、輸入化石燃料への依存を減らすために、各国が太陽光や風力などの自然エネルギーにますます目を向ける動機となっている」と、IEAは今月発表した自然エネルギーに関する報告書の中で述べている。
再生可能エネルギー分野の最新レポートであるIEAの報告書によると、世界の再生可能エネルギー発電容量は2022年から2027年の間に2,400ギガワット増加すると予想されており、これは現在の中国の全発電容量に相当する量であるという。
【参照ページ】
(原文)Global government spending on clean energy transitions rises to USD 1.2 trillion since the start of the pandemic, spurred by energy security concerns
(日本語参考訳)クリーンエネルギーへの移行に向けた世界各国の政府支出は、パンデミック開始以来、1.2兆ドルに増加、エネルギー安全保障への懸念が拍車をかけている