12月15日、IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)が開発中の気候変動報告基準に基づくサステナビリティ開示システムは、近い将来、自然生態系や公正な移行に関連する影響やリスクに関するさらなる透明性の提供を企業に求めるようになるかもしれないと、ISSB議長のEmmanuel Faberは述べた。
昨年のCOP26気候変動会議で発足したISSBは、現在、企業の持続可能性と気候関連の開示に関する最初の2つの基準案を今年末頃に策定し、早ければ2023年に最終基準を発行することを目指しているところである。欧州、英国、米国など世界の主要な管轄区域の規制当局は、企業に対する持続可能性報告義務付け要件を導入または準備中であり、そのほとんどがISSBの基準に大きな影響を受けると考えられる。
モントリオールで開催されたCOP15生物多様性会議の基調講演で、Faberは、気候、自然生態系、公正な移行との関連について強いフィードバックを受け、理事会は間もなく発表される気候関連開示基準の段階的な強化を追求することを決定した、と述べた。
Faberによると、気候変動報告規則の強化は、企業が気候変動に強い計画を実行する能力と、森林破壊や生物多様性などの自然生態系、労働力の再教育などの人的資本に関するトピックに取り組む必要性との間に明確な関連があることを考慮して検討される。
ISSBは、組織が進化する自然関連リスクについて報告することを可能にし、導くことを目的としたフレームワークを現在開発している自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の作業、特に気候関連と自然関連のトピックとの関連性、またこれらの問題の重要性に焦点を当てた他のイニシアティブに焦点を当て、検討すると述べている。
【参考ページ】
(原文)Global sustainability rules body steps up focus on biodiversity