S&P、最大手の環境配慮型債券格付け会社Shades of Greenを買収

S&P、最大手の環境配慮型債券格付け会社Shades of Greenを買収

12月6日、信用格付・ベンチマーク・分析の大手プロバイダーである S&P グローバルは、ノルウェーに本拠を置く国際気候研究センター(CICERO)から、持続可能な債券とグリーンファイナンスのフレームワークに関する最大の外部評価機関であるShades of Greenを買収したと発表した。

Shades of Greenのセカンド・パーティ・オピニオン(SPO)は、企業や政府のグリーン、サステナビリティ、持続可能性に関連した債券発行やフレームワークについて、独立したリサーチに基づいて評価し、市場基準との整合性を評価するもので、通常は借入金を調達する前に提供されるものである。また、気候変動リスクや影響に関する企業の報告書のレビューも行っている。

CICEROは、2008年に世界銀行が発行した最初のグリーンボンドの枠組みのためのSPOを提供し、2018年に子会社としてShades of Greenを設立した。プロバイダーの「Shades of Green」手法は、投資や活動が低炭素で気候変動に強い未来への移行にどの程度貢献するかを反映し、シェーディングを割り当てるものである。最近の評価では、インドのソブリン・グリーンボンド・フレームワークが「Medium Green」、Vovlo Groupのグリーンファイナンス・フレームワークが「Dark Green」と判定された。

S&Pは、本買収がS&Pグローバル・レーティングスに統合され、SPOサービスの幅と深さが拡大されると述べている。今回の買収により、Shades of Greenは全世界で70名以上のサステナブルファイナンス専門のアナリストを擁することになる。

今回の買収は、サステナブルファイナンス市場がここ数年で急成長したことを受けたもので、ESG債のユニバースは2年前の1兆5,000億ドル(約206兆円)に対し、現在は4兆5,000億ドル(約618兆円)に達している。また、S&Pグローバル・レーティングスの最新レポートでは、投資家の需要、規制の変化、資金調達ニーズと持続可能性の目標との整合性などのトレンドに基づき、市場の長期的成長が継続すると予測している。

【参照ページ】
(参考記事)S&P Global Acquires Shades of Green, Enhancing Sustainability Financing Assessments

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