英政府、ネイチャーポジティブで漁業禁止や泥炭土壌改善策を導入

1月31日、英環境食糧農林省は4月から北海の英国海域においてイカナゴ漁を永久的に禁止すると発表した。

ツノメドリやネズミイルカに代表される絶滅の危機に瀕している海鳥や海洋哺乳類や、コダラやホワイティングなど商業的に重要な生物にとって、イカナゴは必要不可欠な食料源になっている。今回の閉鎖によって、海洋生息域全体に渡って生物の生態系を回復されることを狙う。

また、同政府は低地の泥炭土壌改善に700万ポンド(1.3兆円)を投与することを発表した。

英国において陸上最大の炭素貯蔵庫である泥炭地は、数世紀に渡って農業のために排水を続けられた。その結果、同国の低地泥炭地のわずか1%しか自然に近い状態で残っておらず、これにより排水された泥炭は、同国の泥炭全体から排出される温室効果ガス(GHG)の約88%を占める。

ケンブリッジシャー・フェンズやサマセット・レベルズなどの低地泥炭地帯で実施される34のプロジェクトは、政府資金を利用して低地泥炭地の水管理を改善し、気候変動への影響や洪水リスクに関する理解を深める。これらのプロジェクトには、テレメトリーなどの革新的な技術を使用して、景観全体の保水レベルを正確に管理するものも含まれる。

【参照ページ】
(原文)Nature recovery to be accelerated as the government delivers on measures to protect land and sea
(日本語参考訳)英政府、土地海域保護のためのネイチャーリカバリーを加速

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【PR】10/28   サステナビリティパフォーマンスを重視した情報開示

    2025-10-14

    【PR】10/28 サステナビリティパフォーマンスを重視した情報開示

    ISS ESG評価の視点と実務対応の最前線 ISSコーポレート・ソリューションズ(I…
  2. 2025-10-8

    欧州委員会、サステナビリティ報告関連法規(第三国ESRS)の制定を延期へ

    10月6日、欧州委員会は金融サービス分野における115の「重要ではない2次法(regulatory…
  3. SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    2025-10-7

    SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    サステナビリティ情報開示の質を高めることは、今や重要な経営課題である。単なる開示義務の遵守ではなく…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る