11月1日、IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(ISSB) は全会一致で、企業は気候関連のシナリオ分析を使用してレジリエンス分析に情報を提供する必要があると確認した。
ISSBが開発中の新基準において、企業は気候関連のシナリオ分析を開示の一部として使用することが求められることになる。
本決定は、先月ISSBがScope3排出量報告を新基準に含めることを発表したことに続き、気候関連報告基準の開発における新たな重要なマイルストーンとなる。
欧州、英国、米国など世界の主要な管轄区域の規制当局は、企業に対するサステナビリティ報告の義務付けを導入または準備しており、その多くはISSB基準の影響を強く受けるようになると予想される。
シナリオ分析は、移行リスクと物理的リスクの両方を含む潜在的な気候関連リスクと、機会の戦略的・財務的影響を評価するために一部の企業が使用している重要なツールの一つ。しかし、専門サービス会社EYの最近のレポートによると、現在気候関連のシナリオ分析を行っている企業は半分以下であることが判明している。
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また、ISSBは、気候関連シナリオ分析の適用について、作成者を支援すると表明した。ISSBは業界や国のエクスポージャーなどの状況に基づき、企業がどのようなシナリオ分析を利用すべきかというガイダンスを提供する。また、支援のために、金融システム緑化ネットワーク (NGFS)のような「既製のシナリオ」が、企業にとって有用なリソースとなることを認めるという。NGFSのシナリオは、将来起こりうる様々な気候政策、熱、干ばつ、洪水などの物理的リスク、炭素価格の上昇などグリーン経済への移行に起因する短期・長期リスクを反映したものである。
ISSBは、企業のサステナビリティと気候関連開示のための最初の2つの基準案の審議を今年末頃に完了し、早ければ2023年での最終基準発行を目標としている。
【参照ページ】
(原文)IFRS – ISSB confirms requirement to use climate-related scenario analysis
(日本語訳)ISSB は、気候関連のシナリオ分析を使用する要件を確認します