バイデン政権が米国のバッテリーサプライチェーンを拡大するプロジェクトに約4,170億円を交付

バイデン政権が米国のバッテリーサプライチェーンを拡大するプロジェクトに約4,170億円を交付

10月19日、米国エネルギー省(DOE)は、バッテリー、EV、電力網の国産化を目指すプロジェクトに対し、現在外国から輸入しているサプライチェーンの材料や部品を中心に、合計28億ドル(約4,170億円)の資金提供を決定した。

本資金提供は、超党派インフラ整備法に基づくもので、2028年までの総額70億ドル(約1兆円)の第1段階として、米国内の電池サプライチェーンを強化することを目的としている。

クリーンモビリティの進歩はバイデン政権にとって重要な重点分野であり、昨年署名された大統領令では、2030年までに米国内の新車販売の半分をゼロエミッション車にすることを義務付けている。本年初めには、州間高速道路網における電気自動車充電網の整備に、5年間で50億ドル(約7,400億円)を充当することを発表している。

超党派インフラ法の米国バッテリーサプライチェーンの配分には、新規採掘や採掘を伴わない重要鉱物の生産とリサイクル、国内製造のための材料調達への投資も含まれている。

DOEによると、リチウム、黒鉛、電池用ニッケル、電解質塩、電極用バインダー、リン酸鉄正極材のほぼすべてが海外で生産されており、これらの重要な電池投入材料の多くは中国が供給をコントロールしているとのことだ。

今回発表された賞は、12の州にまたがる21のプロジェクトに対して授与された。その中には、電池用リチウム、黒鉛、ニッケルの増産プロジェクト、米国初の大規模商用リチウム電解質塩生産施設、2030年にEV電池結合材の45%を供給するための電極結合材施設、米国初の商用スケール酸化ケイ素生産施設、米国初のリン酸鉄リチウム正極施設も含まれている。

【参照ページ】
(原文)Biden-Harris Administration Awards $2.8 Billion to Supercharge U.S. Manufacturing of Batteries for Electric Vehicles and Electric Grid

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-6

    CDPとTNFD、2025年質問票の対応マッピングを公開

    10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対…
  2. 2025-11-6

    ISSB、国際的なサステナビリティ開示の「グローバル・パスポート」構想を発表

    10月30日、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、ロンドンで開催された「IFRSサステナ…
  3. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-5

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    ※2025年11月4日公開済みの記事にTNFDが発行した「Nature in transition…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る