英ロイズ銀行、英国で初めて新規石油・ガスプロジェクトに対する融資を終了することを約束

ロイズ銀行、英国で初めて新規石油・ガスプロジェクトに対する融資を終了することを約束

10月20日、ロイズ・バンキング・グループは、新たな石油・ガスプロジェクトへの出資を停止する新たなコミットメントを発表し、英国の銀行として初めてこれを実行に移した。

本コミットメントは、気候変動リスク、機会、リスク管理に関連する、様々な高インパクトセクターに対する同社の方針とアプローチを概説した、同行の最新の「外部セクターステートメント」の中で発表されたものだ。Lloydsは、2050年までに融資と投資のポートフォリオをネット・ゼロにすることを約束した銀行グループであるネット・ゼロ・バンキング・アライアンスのメンバーである。

Lloydsは今後、2021年末までに承認されなかったグリーンフィールドの石油・ガス開発への直接融資を支援しないことを約束した。

本コミットメントは、国際エネルギー機関(IEA)によると、世界の気温上昇を1.5℃に抑えるために必要な重要要件の1つに合致している。2021年5月の画期的な報告書の中で、IEAは、実行可能なネットゼロの道筋は存在するが、クリーンエネルギーの開発と展開に何兆ドルもの投資を含む大規模な世界的動員を必要とすると結論づけた。

IEAのロードマップでは、新たな化石燃料供給プロジェクトへの投資を直ちに停止すること、また、新たな未燃焼石炭発電所の最終投資決定を行わないこと、2035年までに新しい内燃機関乗用車を販売しないことが求められている。

責任投資NGOのシェアアクションは、Lloydsの新しい方針を称賛する一方で、同銀行と同業他社に対し、融資による排出権の約束をさらに前進させるよう求めた。

石油・ガス政策の修正に加え、今回の声明では石炭に関するロイドの見解も修正され、2022年末までに英国の石炭火力発電所を運営する顧客をゼロにするという計画が延期された。声明では、英国政府が一部の発電会社に対し、今冬の英国の電力供給を十分に確保するため、2023年3月まで石炭火力発電所を稼働させるよう要請したことを受け、更新したと説明している。

【参考ページ】
(原文)UK’s Lloyds ditches project finance for new oil and gas fields
(日本語訳)英ロイズ、新規油田・ガス田のプロジェクトファイナンスを断念

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